BTCは2026年7月27日午前8時(JST)時点で6万5,346ドル(24hで+1.53%)、ETHは1,948.32ドル(24hで+3.91%)まで上昇し、ETHが再びBTCをアウトパフォームしている。だが今回最も注目すべき変化は価格そのものより、仮想通貨恐怖強欲指数が7月26日18時48分(UTC)時点で50の「中立」へ急回復したことだ。直近1週間は26〜28の「恐怖」圏に張り付き、価格が緩やかに戻すなかでもセンチメントだけが悲観的なままという乖離が続いていたが、その乖離が一気に解消された。
いま相場で何が起きているか
仮想通貨市場全体の時価総額は2兆3,200億ドルで24h+1.70%、BTCドミナンスは56.49%、ETHドミナンスは10.13%。AIセクター(CoinGecko区分)の時価総額は233億9,600万ドルで24h+3.19%、AI Agents区分は33億3,400万ドルで+1.99%と、AI銘柄も市場平均を上回るペースで反発している。個別ではTAOが199.10ドル(+3.84%)、NEARが1.82ドル(+1.35%)、ICPが2.19ドル(+1.78%)、VIRTUALが0.5979ドル(+2.29%)、RENDERが1.48ドル(+1.42%)と揃って上昇する一方、FETは0.1583ドル(-0.76%)と小幅安にとどまり選別色も残っている。
何がこの動きを作ったか
材料は7月28〜29日(米東部時間)に開催されるFOMCを控えたポジション調整だ。市場は政策金利3.50〜3.75%の据え置きに約63.5〜65%の確率を織り込んでおり、0.25%引き下げの確率は35〜36.5%にとどまる。「大幅利上げのリスクがほぼゼロ」という安心感が、短期の流動性敏感資産であるBTC・ETHへの買いを誘っている。ETHの相対的な強さには複数の材料が重なっており、ETH現物ETFは週間で約1億300万ドルの純流入となり、週間3,379万ドル程度にとどまったBTC現物ETFを上回った。加えてBlackRockのETHA中心にETFマネーが回帰していることに加え、7月1日に稼働したRobinhood Chain(ETHをガス代に使うレイヤー2)が1日8億ドル超のオンチェーン取引を処理しており、実需面でもETHを下支えしている。
ファンダメンタルをどう見るか
今回のセンチメント急回復は、単なる短期のショートカバーというより「FOMCの結果を待つための持ち高調整の一巡」という側面が強い。Robinhood Chainの取引高やETH ETFの資金フローは実需・機関資金の両面で裏付けがあり、AIセクターの反発もTAOのETF審査期待という具体的なカタリストに支えられている。Bittensor(TAO)はGrayscaleがSECにETF申請を提出済みで、審査結果は8月に判明する見通し。7月にはサブネット枠を128から256へ倍増する「Robin」拡張も完了しており、価格材料と技術的な進捗の両方が揃っている。一方で恐怖指数がわずか1日強で20ポイント以上跳ねる動きは短期的な過熱のシグナルでもあり、FOMC通過後に反落するリスクは残る。
資金はどこへ動いているか
週間ベースで見るとETH ETFがBTC ETFに対して資金流入で優勢という構図が続いている。7月24日にはBTC・ETH合計で3億1,062万ドルの純流出が発生し、7営業日連続だったBTC ETFの流入記録が途切れた場面もあったが、週間トータルではBTC ETFが約3,379万ドル、ETH ETFが約1億300万ドルと両者ともプラスを維持し、資金の質としてはETH優位が鮮明だ。BTCドミナンスは56.49%とやや高水準を維持しつつも、ETHドミナンスは10.13%まで戻しており、大型2銘柄の中でのローテーションはETH優位が続いている。AIセクターは233億9,600万ドルまで回復したが、5月末の水準(推計300億ドル規模)からは依然縮小した状態にあり、今回の反発が実需に基づく持続的な資金流入なのか、FOMC前の一時的なリスクオンなのかは見極めが必要だ。金利先物市場でも「利上げの議論ではなく、据え置きか小幅な調整幅の議論」という位置づけになっており、この安心感がAI銘柄を含むリスク資産全般への資金回帰を後押ししている面がある。
過去の類似局面との比較
7月中旬にも同様の「ETHがBTCをアウトパフォームしETF資金が回帰する」局面があった(7月16日前後、週間でETH+11%・BTC+2%程度)。この時はソフトなCPI統計と好調な決算シーズン入りが材料だったが、その後は上昇が一巡し、7月23〜25日にかけてBTC・ETH ETFともに流出へ転じた経緯がある。つまり直近2週間だけでも「ETH優位の反発→資金流出での失速」というサイクルが一度観測されており、今回のFOMC前の反発が同じ轍を踏むかどうかは重要な分岐点だ。今回もFOMCという明確なイベントドリブンの反発である以上、結果発表後に材料出尽くしで伸び悩む可能性は織り込んでおく必要がある。恐怖指数が1日強で20ポイント以上跳ねるような急回復は、過去にも数日以内に一部が巻き戻されるパターンが多く見られており、一本調子の上昇継続を前提にしない方がよい。
注目銘柄と価格水準
ETHは1,948ドル付近で、直近の高値圏である1,950〜1,955ドルに接近している。この水準を上抜けられるかがFOMC通過後の試金石になる。BTCは6万5,346ドルで、6万4,000〜6万6,000ドルのレンジ上限を試す動きだ。TAOは199.10ドルで、8月のETF審査結果発表までは200ドル台の定着可否が注目される。NEARは1.82ドルでNEAR Intentsの利用拡大が引き続き材料視されており、ICPは2.19ドル、VIRTUALは0.5979ドル、RENDERは1.48ドルと、いずれもAIセクターの反発に沿って上昇している。FETのみ0.1583ドルで小幅安となっており、個別銘柄では選別が続いている点には注意したい。これらはいずれも国内の主要取引所(bitFlyer・Coincheck・SBI VCトレード等)で購入可能。
想定されるシナリオとリスク
上振れシナリオは、FOMCが市場予想通り据え置きとなり、かつ声明文・記者会見がハト派的と受け止められた場合。この場合ETHは1,950ドル超え、AIセクターはさらなる資金流入で上昇余地が広がる可能性がある。下振れシナリオは、据え置きでも声明文がタカ派的と解釈された場合や、サプライズの0.25%利上げが決定された場合で、この際は恐怖指数が再び悪化し、直近の急回復分が巻き戻される公算が大きい。いずれの場合も、7月29日の政策発表・記者会見までは方向感の乏しいレンジ内の動きにとどまる可能性がある点には注意したい。
まとめ
恐怖強欲指数が28から50へ急回復し、ETHがBTCをアウトパフォームしながら1,948ドルへ上昇、AIセクターも233億ドルまで反発した。材料はFOMC(7/28-29)の政策金利据え置き期待とETH ETF資金の相対的な優勢さで、TAOはETF審査期待も加わり堅調に推移している。ただしFOMC通過までは持ち高調整の域を出ておらず、結果発表後の反応で継続性が試される点には注意が必要だ。編集部はClaude Codeによる自動売買を実運用しており、検証結果は運用実績ページとニュースレターで公開している。
