3Commasとは、暗号資産取引所のAPIキーを通じて接続し、DCA(ドルコスト平均法)ボット・Gridボット・シグナルボットなどの自動売買を実行できるクラウド型プラットフォームである。結論から言うと、資金は3Commas自体には預けられず、API経由で接続した取引所口座上で売買が実行される仕組みのため、取引所側の資金管理は自分の責任で行う必要がある。本記事では2026年7月時点の仕様に基づき、料金プラン・対応取引所・ボットの設定手順・注意点をまとめて解説する。
3Commasの仕組みと特徴
3Commasは2017年に登場した暗号資産自動売買プラットフォームで、Binance・Bybit・Bitget・Kraken・OKXなど23の主要取引所と統合されている。特徴は「取引所に資金を預けたまま、APIキーだけを3Commasに連携する」非カストディアル方式である点だ。3Commas自体が資産を保管するわけではなく、あくまで売買指示を取引所APIへ送信する司令塔として機能する。
提供される主なツール
- DCAボット: 一定間隔・一定条件で買い増しを行うドルコスト平均法ボット
- Gridボット: 一定の価格帯を複数グリッドに分割し、上下動を利益化するボット
- シグナルボット: 外部シグナル(TradingView等)と連携して売買するボット
- SmartTrade: 高度な注文(OCO注文・トレーリングストップ等)を手動で設定するツール
- ポートフォリオ管理: 複数取引所の資産を一元的に可視化する機能
前提: 国内取引所の口座を持った上で使う
3Commasが連携する主要取引所(Bitget・Bybit・Binance等)は金融庁登録のない海外取引所であり、日本円の銀行振込入金には対応していない。日本居住者の現実的な構成は、金融庁登録済みの国内取引所(GMOコイン等)を日本円の出入口として持ち、そこからBTCやETHを海外取引所へ送金し、現地でUSDTに交換してから3Commasのボットに証拠金として割り当てる、という二段構えになる。国内口座を資産のベースキャンプとし、海外取引所には自動売買に使う分だけを置くという距離感が、後述するリスクへの実効的な備えになる。
3Commasの料金プラン
本記事執筆時点の料金体系は以下の通り(公式サイトの最新情報を必ず確認してください)。
| プラン | 主な内容 | 目安料金 |
|---|---|---|
| Free | 最大2取引所のポートフォリオ追跡、限定的なDCA/Gridバックテスト | 無料 |
| Starter | ライブボット運用が可能な最小プラン | 月額$15前後(年払い) |
| Pro | 複数ボット運用・高度な機能が解放 | 月額$15超(年払い) |
| Expert | 全機能利用可能な上位プラン | Proより上位 |
新規ユーザーには7日間の無料トライアルが提供される場合がある。フリープランではライブボットの本格運用ができず、実際に自動売買を回すには有料プランへの加入が事実上必須となる点に注意してほしい。
3Commasの登録から初回設定までの流れ
- 公式サイトでアカウントを登録する(メールアドレスまたはGoogleアカウント連携)
- 無料トライアルまたは有料プランを選択する
- 連携したい取引所(Bitget等)でAPIキーを発行する(取引権限のみ)
- 3Commasの「取引所を追加」画面でAPIキー・シークレットキーを入力する
- 接続テストを実行し、残高が正しく表示されるか確認する
- ボットの新規作成画面から、DCA・Grid・シグナルボットのいずれかを選択する
- パラメータを設定し、バックテストで挙動を確認してから起動する
初回設定は30分〜1時間程度で完了する。焦らず各設定項目の意味を理解しながら進めることが、後々のトラブル回避につながる。
対応取引所とBitget連携の詳細
3Commasは23の取引所を公式サポートしているが、取引所ごとに対応機能が異なる。
Bitgetとの連携
本記事執筆時点で、3CommasはBitgetのUSDT建て先物(USDT-M)取引に対応している。現物取引はBitget連携の対象外である点に注意が必要だ。Bitget先物ではSmartTrade・シグナルボット・DCAボット(単一/複数ペア)・Gridボットが利用できる。
Bybitとの連携
Bybitは3Commasと全面的に統合されており、DCA・Grid・シグナルボットを問題なく自動運用できる。ただしBybitのEUアカウントはFast ConnectやAPIキー経由での接続に対応していない場合があり、ポートフォリオマージン口座も非対応となる点に留意する必要がある。
DCAボットの設定手順
- 3Commasにアカウント登録し、有料プランまたはトライアルを開始する
- 対応取引所(Bitget等)のAPIキーを発行し、3Commasに接続する(取引権限のみ付与し、出金権限は付与しないのが鉄則)
- DCAボットの新規作成画面で、対象ペア(例: BTC/USDT)を選択する
- 初回注文額・買い増し額・買い増し間隔・利確ライン(TP)を設定する
- 損切りライン(SL)を必ず設定する(未設定のまま運用すると下落局面で無制限に買い増しされ続けるリスクがある)
- バックテスト機能で過去データに対する挙動を確認する
- 少額でボットを起動し、数日〜数週間観察してから増額を検討する
APIキー発行時のセキュリティ設定
- 取引権限のみを有効化し、出金権限は絶対に付与しない
- IPアドレス制限を設定できる取引所では必ず設定する
- APIキー・シークレットキーは3Commas以外の場所に保存・共有しない
- 定期的にAPIキーを再発行し、古いキーは削除する
- 2段階認証(2FA)を取引所・3Commasの両方で有効化する
出金権限を誤って付与すると、APIキーの漏洩時に資産を直接引き出されるリスクが生じる。取引権限のみに限定することが最も重要な防御策だ。
Gridボットの仕組みと向いている相場
Gridボットは、設定した価格帯を複数のグリッド(格子)に分割し、価格が上下する度に自動で売買を繰り返して利益を積み上げる手法だ。レンジ相場(一定の価格帯を上下する相場)で機能しやすく、一方向に大きくトレンドが出る相場では、グリッド下限を割り込んだ場合に含み損が拡大するリスクがある。
Gridボット設定の要点
- 価格帯の上限・下限を過去のレンジを参考に設定する
- グリッド数を増やすほど1回あたりの利益は小さくなるが取引頻度は上がる
- ストップロスを必ず設定し、レンジを大きく割り込んだ場合の損失を限定する
- ボラティリティが極端に高い銘柄では、グリッド幅を広めに設定する
SmartTradeの使い方
SmartTradeは、通常の取引所画面よりも高度な注文条件を一括設定できるツールだ。
SmartTradeでできること
- OCO注文(One-Cancels-the-Other): 利確と損切りの注文を同時に設定し、どちらかが約定したらもう一方が自動キャンセルされる
- トレーリングストップ: 価格が有利な方向に動くほど損切りラインを追随させ、利益を確保しながら伸ばす
- 段階的な指値注文: 複数の価格帯に分けて指値注文を設定し、平均取得単価を調整する
SmartTradeが向いている人
通常の取引所アプリでは設定できない複雑な注文条件を使いたい中〜上級者に向いている。初心者はまずDCA・Gridボットの自動運用に慣れてから、SmartTradeでの手動注文を試すのが無理のない順序だ。
シグナルボットとTradingView連携
3Commasはシグナルボット機能を通じて、TradingViewなど外部ツールのシグナルと連携した自動売買も可能にしている。
シグナルボットの仕組み
外部のシグナルプロバイダー(TradingViewのアラート等)からWebhook経由でシグナルを受信し、条件に合致した場合に自動的に売買を実行する仕組みだ。自分でチャート分析のロジックを組める中〜上級者にとっては、裁量判断を自動化する手段になる。
利用時の注意点
- シグナルプロバイダーの過去実績が将来の成績を保証するものではない
- 無料・有料のシグナルサービスが乱立しており、質にばらつきがある
- 自分でロジックを検証できない場合は、少額でのテスト運用から始める
ポートフォリオ管理機能の活用
複数取引所・複数ボットを運用していると、資産状況の全体像を把握するのが難しくなる。3Commasのポートフォリオ管理機能を使うと、連携した取引所の残高・損益をまとめて可視化できる。
- 連携している全取引所の残高を一覧で確認できる
- ボットごとの損益をトラッキングできる
- 資産配分の偏りを可視化し、リバランスの判断材料にできる
フリープランでも最大2取引所まではポートフォリオ追跡が可能なため、まずは無料の範囲で使用感を確かめてから有料プランを検討するのが現実的だ。
3Commasで「稼げない」と言われる典型パターン
- 損切りラインを設定しない: 下落トレンドでDCAボットが買い増しを続け、含み損が膨らみ続ける
- レンジ相場を想定してGridボットを組んだのにトレンドが発生: 想定価格帯を大きく外れ、機能不全に陥る
- バックテストの結果を鵜呑みにする: 過去の値動きに最適化されたパラメータが、将来の相場でも通用するとは限らない
- 有料プランのコストを利益が上回らない: 少額運用では月額料金が利益を圧迫し、実質マイナスになるケースがある
- API権限設定のミス: 出金権限を誤って付与し、セキュリティリスクを抱えたまま運用する
海外取引所を利用する際のリスクと注意点
- 金融庁登録がない: Bitget・Bybit等は日本の金融庁登録を受けていないため、国内の投資者保護制度の対象外となる
- サポートが英語中心: トラブル時の問い合わせが英語対応中心になる場合がある
- 規制動向の変化: 海外取引所を巡る規制環境は変化する可能性があり、最新の状況を確認する必要がある
- 送金時のネットワークミス: 国内取引所から送金する際、ネットワーク選択を誤ると資産が消失するリスクがある
- API連携特有のリスク: APIキーの権限設定を誤ると、意図しない資産流出につながる可能性がある
- 税務処理の複雑化: 複数取引所・自動売買を組み合わせると、確定申告の集計が煩雑になる
これらのリスクを踏まえ、国内取引所をベースキャンプとし、海外取引所には自動売買に使う分だけを置く運用が現実的な対処法だ。
3Commasと他の自動売買ツールとの違い
対 Bitget標準のコピートレード
Bitget標準のコピートレード機能は、エリートトレーダーの売買をそのまま再現する仕組みで、パラメータ設計の知識がなくても始めやすい。3Commasは自分でDCA・Gridのパラメータを設計する必要がある分、自由度が高く上級者向けと言える。
対 Cryptohopper
Cryptohopperも同様のクラウド型自動売買ツールで、マーケットプレイスでの戦略共有機能が特徴だ。3Commasは対応取引所の幅広さとSmartTradeの高度な注文機能で優位性がある。
対 自作botとAPI直接運用
プログラミングの知識があれば、取引所APIを直接叩いて自作botを組むことも可能だが、開発・保守の手間が大きい。3Commasはノーコードで一定水準のボットを構築できる点で、実装コストを大きく下げられる。
3Commas利用前のチェックリスト
- 国内取引所の口座を既に持っているか(資金のベースキャンプ)
- Bitget等の海外取引所口座の本人確認(KYC)を完了しているか
- APIキーの権限設定(取引のみ・出金不可)を理解しているか
- 損切りラインを必ず設定する運用ルールを決めているか
- 有料プランの月額コストと想定運用資金のバランスを確認したか
- 少額運用でボットの挙動を数週間観察する計画があるか
自動売買botと裁量トレードの違い
対 裁量トレード(手動売買)
裁量トレードはチャートを見ながら都度判断する手法で、相場急変への対応力がある一方、感情に左右されやすく、四六時中相場を見続ける必要がある。3Commasのような自動売買botは、事前に決めたルールを機械的に実行するため感情の介入を排除できるが、相場環境が変化した際にルール自体を見直す判断は人間が行う必要がある。
対 コピートレード
Bitget等が提供するコピートレードは、他者の売買をそのまま再現する仕組みで、パラメータ設計の知識がなくても始めやすい。3Commasは自分でボットのロジックを設計する必要がある分、自由度は高いが学習コストもかかる。両者を併用し、コピートレードで基本のリターンを確保しつつ、3Commasで自分なりの戦略を試すという使い方も可能だ。
対 手動でのAPI直接運用
プログラミングスキルがあれば取引所APIを直接叩いて自作のbotを組むことも可能だが、開発・保守・エラー処理の手間が大きい。3Commasはノーコードでこれらの機能を一定水準まで再現できる点で、個人投資家にとって現実的な選択肢になっている。
自動売買を始める際のリスク管理の考え方
- 運用資金の上限を決める: 全資産のうち自動売買に回す割合を事前に決め、それ以上は投入しない
- 損切りラインを機械的に守る: 感情での取り消しをしないため、可能な限り自動化されたストップロスを使う
- 相場環境の変化を定期的に確認する: レンジ相場からトレンド相場への転換など、ボットの前提が崩れていないか月1回はチェックする
- 複数のボットに資金を分散する: 1つのボット・1つの戦略に資金を集中させない
- バックテストと実運用の乖離を記録する: 想定と実際の成績のズレを記録し、パラメータ調整の参考にする
確定申告への影響
自動売買botを使った取引も、通常の暗号資産取引と同様に課税対象となる。年間の取引履歴は3Commas・取引所双方からダウンロードして保管し、損益計算に活用する必要がある。取引回数が多くなる自動売買では、集計作業が煩雑になりやすいため、早めに損益計算ツールの導入を検討することを推奨する。詳しい確定申告の流れは仮想通貨の確定申告ガイドで解説している。
実際の運用で意識すべきポイント
編集部では国内取引所を軸にしたAI・自動売買の運用実績を/ai-tradingで継続公開している。自動売買ツールを使う際に共通して重要なのは、①損切りラインを必ず設定すること、②少額から始めて挙動を確認すること、③相場環境(トレンドかレンジか)に応じてボットの種類を選ぶこと、の3点である。Bitgetでの口座開設・入金の具体的な手順はBitget 口座開設の手順、API連携の詳細設定はBitget API 自動売買botの作り方で解説している。
3Commasの評判・口コミ傾向
海外の利用者レビューを横断的に見ると、「取引所APIとの連携がスムーズ」「DCAボットの設定項目が細かく調整できる」という評価がある一方、「フリープランではほぼ何もできない」「相場急変時にボットの追随が遅れることがある」といった指摘も見られる。特にフリープランの機能制限については、実際に有料プランへ加入する前に想定運用額と月額コストのバランスを試算しておくことが重要だ。少額運用の場合、月額$15前後のコストが利益を上回ってしまうケースもあるため、まずは無料トライアルの範囲で使用感を確かめることを推奨する。
まとめ
3Commasは非カストディアル方式でDCA・Grid・シグナルボットを運用できるクラウド型自動売買プラットフォームで、Bitget・Bybit等23の取引所に対応している。フリープランではライブ運用ができず、実際に使うには月額$15前後の有料プランが必要になる。日本居住者は国内取引所をベースキャンプとし、海外取引所には自動売買に使う分だけを置く二段構えの運用が安全であり、APIキーには取引権限のみを付与し出金権限を付与しないことが最重要のセキュリティ対策となる。
投資判断はご自身の責任で行い、自動売買であってもリスク管理(損切りライン設定・少額からの開始)を徹底することが、長期的に運用を続けるための前提条件になる。
よくある質問
3Commasは日本の取引所と連携できますか?
本記事執筆時点で、3Commasは国内の金融庁登録取引所と直接連携する機能は提供していません。Bitget・Bybit等の海外取引所と連携するのが一般的な使い方です。
3Commasの料金はいくらですか?
フリープランは無料ですがライブボット運用はできません。実際に自動売買を行うにはStarterプラン(月額$15前後、年払い)以上への加入が必要です。
3Commasに資金を預ける必要がありますか?
ありません。3CommasはAPIキー経由で取引所に接続する非カストディアル方式で、資産は各取引所の口座に保管されたままです。
APIキーを連携する際の注意点は何ですか?
取引権限のみを付与し、出金権限は絶対に付与しないでください。IPアドレス制限が可能な取引所では設定することを推奨します。
DCAボットとGridボットどちらを使うべきですか?
下落局面での買い増しによる平均取得単価の引き下げを狙うならDCAボット、レンジ相場での往復収益を狙うならGridボットが向いています。相場環境によって使い分けるのが基本です。
3Commasで損失が出ることはありますか?
あります。損切りラインを設定しない場合、下落トレンドで含み損が拡大し続けるリスクがあります。バックテストの結果も将来の相場を保証するものではありません。
Bitgetは日本から利用できますか?
Bitgetは金融庁登録のない海外取引所です。日本居住者が利用する場合は、国内取引所を経由した資金フローの設計とリスクの理解が前提になります。
3Commasの利益に税金はかかりますか?
かかります。自動売買botを使った取引も通常の暗号資産取引と同様に課税対象となるため、取引履歴を保管し確定申告の準備をしておく必要があります。
初心者が3Commasを使う際の注意点は何ですか?
まず少額でボットを起動し、数週間の挙動を確認してから増額することを推奨します。損切りラインの設定とAPIキーの権限管理を怠らないことが特に重要です。
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