Bitgetの本人確認(KYC)とは、口座の利用者が実在する本人であることを身分証と顔認証で証明する手続きである。結論から書くと、Bitgetを実際に使うつもりなら本人確認は避けて通れない。未完了のままだと出金が制限され、利用できる機能にも制約がかかる。そして本人確認で差し戻される理由の大半は「書類の撮り方」という、事前に潰せる技術的な問題に集約される。

もう一つ最初に押さえておきたいのは、Bitgetは金融庁登録の暗号資産交換業者ではないという事実である。日本居住者が使う場合は、日本円の入口と出口を国内の登録取引所に置き、Bitgetは暗号資産のまま運用する場所として位置づけるのが実務上の基本形になる。国内取引所で口座を持った上でBitgetを併用する、という順序を崩さないでほしい。

本記事では、Bitgetの本人確認の必要書類、レベルごとの違い、申請の全手順、通らない時の原因別対処、そして本人確認を終えた後にやるべきセキュリティ設定までを一気に整理する。読み終えた時点で、差し戻しの確率を大きく下げた状態で申請できるはずである。

本人確認でできること・できないこと

まず期待値を合わせておく。

項目 本人確認なし 本人確認あり
口座の作成 できる できる
相場の閲覧・デモ的な確認 できる できる
暗号資産の入金 可能な場合がある 可能
外部への出金 制限される、または不可 可能(レベルに応じた上限内)
現物・先物取引 制限がかかる場合がある 可能
コピートレード・bot機能 制限がかかる場合がある 可能
キャンペーン・特典の対象 対象外になることが多い 対象になる
日本円の直接入出金 できない できない(海外取引所のため)

表の最下行は重要である。本人確認を終えても、Bitgetで日本円を銀行から直接入金したり、銀行へ直接出金したりはできない。日本円との接続はあくまで国内取引所側が担う。本人確認は「日本円が扱えるようになる手続き」ではなく、「暗号資産を自由に出し入れできるようにする手続き」だと理解しておくと、期待とのズレがない。

なぜ本人確認が必要なのか

暗号資産交換業には、世界的にAML(マネーロンダリング対策)とCFT(テロ資金供与対策)の枠組みが適用される。取引所は利用者の身元を確認する義務を負い、これがKYC(Know Your Customer=顧客確認)と呼ばれる。加えて、暗号資産の送金時に送付元・送付先の情報を通知する「トラベルルール」への対応も各国で進んでおり、身元が確認されていないアカウントからの送金は受け入れ側で弾かれやすくなっている。

つまり本人確認は、取引所側の都合というより業界全体の前提条件になりつつある。未完了のまま使い続けようとすると、出金の段になって詰まる。口座を作った日に済ませてしまうのが結局いちばん早い。

必要書類を事前に揃える

申請前に手元に用意しておくものは次の通りである。

  1. 顔写真付きの身分証明書:パスポート、運転免許証、マイナンバーカードなどが一般的である。有効期限内であること、氏名・生年月日・顔写真がはっきり読めることが条件になる。
  2. スマートフォンまたはWebカメラ:顔認証(自撮り)で使う。インカメラの解像度が低い端末だと差し戻されやすいため、可能なら新しめの端末を使う。
  3. 登録情報と一致する氏名・生年月日:口座登録時に入力した情報と身分証の記載が食い違うと弾かれる。旧姓のままになっていないか、ローマ字表記が揃っているかを確認する。
  4. 明るい撮影環境:後述するが、差し戻しの最大要因は光である。
  5. 住所確認書類(レベルによる):上位レベルの認証を申請する場合、公共料金の請求書や住民票など、直近数か月以内に発行された住所記載の書類を求められることがある。

Bitget本人確認の全手順(全6ステップ)

画面の文言は更新で変わり得るが、流れは変わらない。

手順1:口座を作成し、ログインする

メールアドレスまたは電話番号で口座を作成する。この時点で入力する氏名や生年月日が、後に提出する身分証と一致している必要がある。適当に入力して後から直そうとすると、本人確認の途中で修正が効かなくなり、サポート対応が必要になることがある。最初から正確に入力する。

手順2:本人確認メニューを開き、レベルを選ぶ

アカウント設定から本人確認(アイデンティティ認証)のメニューを開く。Bitgetを含む多くの海外取引所は、本人確認を複数のレベルに分けている。下位レベルは身分証と顔認証のみ、上位レベルは住所確認書類まで求められる代わりに出金上限が引き上げられる、という構造である。

まずは下位レベルを通し、実際に運用してみて上限に不足を感じたら上位へ進む、という段取りで問題ない。最初から上位を狙って住所書類の準備で止まってしまうより、まず出金できる状態を作るほうが実務的である。

手順3:国籍と書類の種類を選択する

居住国として日本を選び、提出する書類の種類を選ぶ。ここで選んだ種類と実際にアップロードする書類が違うと、自動判定で弾かれる。パスポートを選んだのに免許証を撮る、といった取り違えは意外に起きる。

手順4:身分証を撮影・アップロードする

この工程が差し戻しの最大の発生源である。以下を守れば通過率が大きく上がる。

  • 書類の四隅がすべてフレーム内に収まっていること。角が切れているだけで弾かれる。
  • 光の反射で文字がつぶれていないこと。免許証やマイナンバーカードは表面が光を反射しやすい。天井の照明を真上に置かず、斜めから自然光が当たる場所で撮る。
  • ピントが合っていること。手ブレしやすいので、書類を平らな面に置き、端末を両手で支える。
  • 書類の上に指が乗っていないこと。文字を隠すと再提出になる。
  • スクリーンショットやコピーではなく、原本を直接撮影すること。画面越しの撮影は認められない。
  • 背景は無地に近い場所を選ぶこと。柄のあるテーブルクロスの上などは輪郭検出を邪魔する。

手順5:顔認証(自撮り)を行う

画面の指示に従って顔を撮影する。まばたきや顔の向きを指示されることがあるので、指示が読める距離で操作する。ここでの注意点は、帽子・マスク・サングラスを外すこと、髪で顔の輪郭が隠れないようにすること、明るい場所で逆光を避けること、の3点である。逆光は特に多い失敗で、窓を背にして撮ると顔が暗く写り、身分証の写真と照合できずに差し戻される。窓に向かって立つのが正解である。

手順6:審査結果を待つ

提出後の審査は、混雑がなければ数分から数時間で完了することが多い。時間帯や申請の混雑状況によっては、それ以上かかることもある。審査中に同じ内容を何度も再提出すると、かえって処理が滞ることがあるため、まずは待つ。結果は登録メールアドレスと画面上の通知で確認できる。

申請前チェックリスト(コピーして使う)

提出ボタンを押す前に、以下をそのまま手元にコピーして1項目ずつ確認してほしい。これを通せば差し戻しの大半は防げる。

【Bitget 本人確認 提出前チェック】
1. 口座登録時の氏名(ローマ字/漢字): ______
2. 身分証の記載氏名: ______  ← 1と完全一致か?
3. 生年月日は登録情報と一致しているか: はい / いいえ
4. 身分証の有効期限: ______  (期限内か?)
5. 選択した書類の種類と、撮影した書類は同じか: はい / いいえ
6. 四隅がフレームに収まっているか: はい / いいえ
7. 光の反射で読めない文字はないか: はい / いいえ
8. 指で文字を隠していないか: はい / いいえ
9. 自撮り: 帽子・マスク・眼鏡を外したか: はい / いいえ
10. 自撮り: 逆光になっていないか(窓を背にしていないか): はい / いいえ
11. 二段階認証は設定済みか: はい / いいえ

やってはいけないこと・実際に起きる失敗例

本人確認まわりのトラブルは、パターンが決まっている。

失敗例1:他人名義の書類や加工した画像を提出する

言うまでもないが、家族の身分証を使う、画像を加工する、といった行為はアカウントの永久凍結につながる。凍結されると口座内の資産の扱いも複雑になり、回復に多大な手間がかかる。本人以外が使う想定の口座は作らない。

失敗例2:登録名義と出金先の名義が違う

本人確認を通した名義と、出金先の国内取引所の名義は一致している必要がある。家族名義の国内口座へ送ろうとすると、トラベルルール対応の観点から受け入れを拒否されたり、口座の凍結や調査の対象になったりする。名義は必ず揃える。

失敗例3:出金の直前に本人確認を始める

利益を確定したいタイミングで本人確認が未完了だと、審査を待つ間の相場変動を丸ごと被る。書類不備で差し戻されればさらに延びる。本人確認は口座開設と同日に済ませる、というのが唯一の正解である。

失敗例4:VPNを経由して申請する

居住国の申告と接続元の情報が食い違うと、審査で追加確認を求められたり、アカウントに制限がかかったりすることがある。本人確認は通常の回線から、正しい居住国を申告して行う。

失敗例5:二段階認証を設定しないまま資金を入れる

本人確認が通ると入出金ができるようになる。その状態で二段階認証が未設定だと、パスワード漏洩がそのまま資金流出につながる。本人確認と二段階認証はセットで終わらせる。

本人確認が通らない時の原因別対処

差し戻しの通知には理由が書かれているが、抽象的で分かりにくいことがある。原因別に対処を整理する。

「書類が読み取れない」系:撮影のやり直しが基本である。照明を変え、平らな面に置き、斜めからの光で撮る。スマートフォンのカメラを使い、書類が画面の7割程度を占める距離で撮ると成功しやすい。

「情報が一致しない」系:登録情報と身分証の記載を突き合わせる。ローマ字表記の順序(姓・名)、ミドルネームの有無、旧姓、生年月日の月日の入れ違いがよくある原因である。登録情報を修正できる場合は修正してから再提出する。

「顔認証に失敗した」系:明るい場所で、正面から、無表情に近い状態で撮り直す。眼鏡は反射するため外す。身分証の写真が古く現在の外見と差がある場合は通過しにくくなるので、可能なら新しい身分証を使う。

「書類の有効期限切れ」系:更新後の書類を用意する以外に方法はない。

何度やっても通らない場合:カスタマーサポートへ問い合わせる。その際、申請日時・選択した書類の種類・受け取ったエラーメッセージの原文をまとめて最初のメッセージに書くと、往復回数が減って解決が早くなる。同じ内容を連続で再提出するより、サポートに理由を確認するほうが結果的に早い。

本人確認後にやるべきセキュリティ設定

本人確認が完了すると出金機能が使えるようになる。同時に、口座が乗っ取られた時の被害額も現実のものになる。次の設定を続けて済ませたい。

第一に、認証アプリ方式の二段階認証を有効にする。SMS認証だけに依存するのは避ける。SIMスワップと呼ばれる手口で電話番号を乗っ取られると認証が突破される余地が残るためである。復旧コードは必ずオフラインで保管する。

第二に、出金時に別途要求される資金パスワードを設定する。ログインパスワードとは別の文字列にする。

第三に、出金先アドレスのホワイトリストを設定する。登録済みのアドレスにしか出金できないよう制限しておけば、不正ログインされても任意のアドレスへ資金を送られることを防げる。国内取引所の入金アドレスは基本的に固定なので、運用上の不便もほとんどない。

第四に、APIキーを発行して自動売買やツール連携をする場合は、そのキーに出金権限を付与しない。取引の権限だけを与え、出金権限はオフにし、可能ならIP制限も設定する。BitgetはAPIキーのIP制限に対応しているので、固定IPの環境から動かすなら必ず有効にしたい。編集部は2026年4月からClaude Codeによる自動売買を実口座で検証運用しており、そこでも取引権限と出金権限の分離は最初に固めた前提条件である。検証の内容と結果は当サイトの運用実績ページで公開している。

本人確認レベルと出金上限の考え方

海外取引所の本人確認は、多くの場合レベル制になっている。下位レベルは身分証と顔認証だけで完了し、日常的な範囲の出金には十分な上限が付く。上位レベルは住所確認書類の提出が加わる代わりに、1日あたりの出金上限が引き上げられる。

どこまで進めるべきかは、扱う金額で決まる。少額で検証しながら運用する段階なら、下位レベルで足りることがほとんどである。一方、まとまった資金を一度に動かす予定があるなら、上限に引っかかってから慌てるのは避けたい。上限に達した場合の選択肢は、上位レベルの申請を出して審査を待つか、日をまたいで分割出金するかの二択になる。分割すれば固定額の出金手数料が回数分かかるため、そのぶんコストが増える。

実務的な進め方としては、まず下位レベルを通して口座を稼働させ、実際の運用規模が見えてきた段階で上位レベルを申請する、という順序が無駄がない。住所確認書類は発行から数か月以内という条件が付くことが多いので、必要になってから取得するほうが有効期限の面でも都合がよい。

審査を早く通すための準備

審査そのものの所要時間は取引所側の事情で決まるが、自分側の準備で短縮できる部分は確実にある。

第一に、申請の時間帯である。世界中の利用者が申請する取引所では、混雑する時間帯とそうでない時間帯が生じる。急ぎでないなら、日本時間の深夜や早朝を避けて申請すると、結果的に待ち時間が短く感じられることがある。

第二に、撮影を先に済ませておくことである。申請フォームを開いてから慌てて撮ると、環境を整える余裕がなく品質が落ちる。事前に明るい場所で身分証を撮影し、画像を確認してから申請フォームに進む。この順序だけで差し戻し率は目に見えて下がる。

第三に、登録情報の事前確認である。口座作成時に入力した氏名・生年月日・居住国を、申請前にアカウント設定で見直す。特にローマ字の姓名の並び順は、日本のサービスと海外のサービスで逆になっていることがあり、無意識のうちに不一致を作りやすい。

第四に、通信環境である。アップロードの途中で回線が切れると、画像が破損した状態で送信され、判読不能として弾かれることがある。モバイル回線が不安定な場所での申請は避ける。

第五に、端末である。カメラの解像度が低い古い端末では、文字が潰れて読み取れない画像になりやすい。手元に新しい端末があるならそちらを使う。

本人確認にまつわるよくある勘違い

第一に、「本人確認をすれば資産が保護される」という誤解。本人確認は身元確認の手続きであって、取引所の破綻や出金停止から資産を守る仕組みではない。Bitgetは金融庁登録の業者ではないため、国内業者に課される分別管理や補償の枠組みは適用されない。本人確認の完了と資産の安全性は別問題である。

第二に、「本人確認を後回しにしても入金だけならできるから急がなくてよい」という誤解。入金できても出金できなければ、資金は口座に閉じ込められる。入口と出口では出口のほうが重要であり、出口を先に確保しておくのが資金管理の原則である。

第三に、「一度通れば以後ずっと有効」という誤解。身分証の有効期限が切れた場合や、規制対応で再確認が求められた場合、追加の書類提出を要求されることがある。その通知が来た時に対応できるよう、登録メールアドレスは常に受信できる状態にしておく。

第四に、「審査が遅いのは何か問題があるからだ」という誤解。単純な混雑であることが多い。数時間程度なら待つのが正解で、同じ内容を連続で再提出すると処理列の後ろに回されることさえある。

他の選択肢との比較

対BTCC:本人確認と口座設計の違い

BTCCは2011年創業の先物特化型取引所で、最大500倍のレバレッジ、デモ口座(10,000USDT分の仮想残高)、コピートレードを備え、日本語サポートを24時間365日提供している。本人確認の考え方自体はBitgetと大きく変わらないが、デモ口座があるため「本人確認の完了を待つ間に発注操作を練習しておく」という使い方ができるのは特徴である。一方Bitgetは現物・先物に加えてネイティブのbot機能やAPI連携の選択肢が広く、口座内で運用を組み立てる用途に向く。

対 国内取引所の本人確認

国内の登録取引所も本人確認は必須だが、マイナンバーの提出が求められる点、郵送による住所確認が入る場合がある点が海外取引所と異なる。手続きはやや重い代わりに、日本円の入出金が直接でき、金融庁の監督下にあるという安心感がある。海外取引所の本人確認が通らずに困っている段階なら、まず国内取引所側の口座を確実に作っておくほうが優先度は高い。海外取引所は、国内の出口を確保した上での追加の選択肢である。

対 本人確認なしで使えるサービス

分散型取引所(DEX)は本人確認なしで利用できる。ただし、資産の管理責任はすべて自分にあり、秘密鍵を失えば復旧の手段はない。ガス代も自分で負担する。本人確認の手間を回避したいという理由だけでDEXを選ぶと、別種のリスクを引き受けることになる。手間とリスクのどちらを取るかという選択であって、片方が単純に楽ということではない。

リスクと注意点

  1. 金融庁登録がない:Bitgetは日本の暗号資産交換業者として登録されていない。国内業者に課される分別管理や補償の枠組みは適用されず、日本の当局を通じた救済も期待できない。
  2. 出金停止・制限のリスク:規制対応や方針変更、システム障害、セキュリティレビューなどを理由に出金が一時的に制限されることがある。資産の全額を長期間置きっぱなしにしない。
  3. サービス終了リスク:日本居住者向けサービスが終了する事例は実際にある。Bybitは日本居住者向けサービスを終了し、2026年3月23日にクローズオンリー、2026年7月22日正午に未決済ポジションの強制決済という段取りで縮小した。こうした告知が出た場合、期限内に出金を完了させる必要がある。出口の国内口座を常に維持しておくことが最も現実的な備えになる。
  4. 個人情報の提供:本人確認では身分証と顔画像を海外事業者に提供することになる。情報の取り扱い方針を確認した上で判断する。
  5. アカウント凍結時の資産:規約違反や不審な挙動と判断されると口座が凍結され、資産へのアクセスが制限されることがある。名義の一致や正確な申告を守る。
  6. 利益は確定申告が必要:海外取引所での利益も日本の課税対象であり、原則として雑所得に区分され総合課税となる。
  7. 記録の保全:取引所が閉鎖されると履歴を取得できなくなる。定期的にCSVでダウンロードして保管する。
  8. フィッシング対策:本人確認を装って書類の再提出を求める偽メールが存在する。メール内のリンクではなく、必ずブックマークから公式サイトへアクセスして確認する。

税金の扱い

暗号資産の取引で得た利益は、国内・海外を問わず日本の居住者であれば申告の対象になる。本人確認を完了させたこと自体は課税に直接関係しないが、本人確認を通して取引や出金が可能になれば、当然ながら損益が発生する。課税の起点は「暗号資産を売却した」「別の暗号資産に交換した」「決済に使った」といったタイミングであり、出金という行為そのものではない。

海外取引所に特有の注意点は、取引履歴が国内の損益計算ツールへ自動で取り込めない場合があること、日本円建ての損益計算のために取得時・売却時のレートを自分で記録する必要があることである。取引量が増えたら損益計算ツールの導入と、税理士など専門家への相談を検討してほしい。制度の解釈や取扱いは変わり得るため、最終的な判断は必ず専門家に確認すること。

本人確認の次に来る「出金の前提」

本人確認を終えた人が次に直面するのが、出金の設計である。ここで手が止まらないよう、先に全体像を書いておく。

Bitgetから日本円を得るまでの経路は3段階になる。まずBitget内で、保有している資産を国内取引所が受け取れる銘柄へ変換する。国内取引所の多くはUSDTを扱っていないため、USDTのまま送っても着金しない。BTCまたはETHへ交換してから送るのが定石である。この交換には現物手数料0.1%(BGB払いで0.08%、2026年7月時点)がかかる。

次に、国内取引所の入金アドレスへ送金する。ここで最も重要なのがネットワーク(チェーン)の選択である。BTCならBitcoinネットワーク、ETHならERC20が基本になる。海外取引所どうしの送金ではTRC20が手数料の安さから常用されるが、国内取引所を出口にする場合は選択肢が実質的にBitcoinかERC20に絞られる。判断基準は「手数料が安いチェーン」ではなく「送金先が受け付けるチェーン」であり、これを取り違えると、送信自体はブロックチェーン上で正常に完了しているのに着金だけがしない、という状態になる。取り消しはできず、回収できるかどうかは着金先取引所の個別対応次第である。

最後に、国内取引所で日本円に売却し、銀行口座へ出金する。ここで販売所形式を使うとスプレッドが数%乗ることがあるため、取引所形式(板取引)が使えるならそちらを使いたい。

新しい送金先アドレスに初めて送るときは、必ず少額でテスト送金し、着金を確認してから本命の金額を送る。手数料は二重にかかるが、全額を失う確率を大きく下げる保険としては安い。本人確認を通した直後の段階でこの流れまで理解しておけば、実際に利益を確定したい局面で慌てずに済む。

本人確認 完了チェックリスト

  • 口座登録時の氏名・生年月日が身分証の記載と完全に一致している
  • 有効期限内の顔写真付き身分証を、四隅が入る形で反射なく撮影した
  • 顔認証は明るい場所で、帽子・マスク・眼鏡を外し、逆光を避けて撮影した
  • 本人確認の完了通知をメールと画面で確認した
  • 認証アプリ方式の二段階認証を設定し、復旧コードをオフラインで保管した
  • 資金パスワードと出金アドレスのホワイトリストを設定した
  • APIキーを使う場合、出金権限を付与せずIP制限を設定した
  • 出口となる国内取引所の口座を開設し、本人確認まで完了している

まとめ

Bitgetの本人確認は、手続き自体は短時間で終わる。詰まるとすればほぼ書類の撮影品質か、登録情報と身分証の不一致である。四隅を入れる、反射を避ける、逆光で自撮りしない、氏名表記を揃える。この4点を守るだけで、差し戻しの大半は起きなくなる。

そして順序が重要である。本人確認は出金が必要になってから始めるのではなく、口座を作った日に済ませる。審査待ちと書類の差し戻しで数日を失うと、その間の相場変動を丸ごと被ることになる。あわせて、本人確認が通った直後に二段階認証・資金パスワード・出金ホワイトリスト・APIキーの権限分離まで一気に設定してしまうのが、結果的にいちばん手間が少ない。

最後にもう一度だけ確認しておきたい。Bitgetは金融庁登録の業者ではなく、日本円の直接入出金もできない。日本円の入口と出口は国内の登録取引所に置き、その上での追加の選択肢としてBitgetを使う。この位置づけを守ることが、本人確認以前の一番大事な前提である。

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