ビットコイン現物ETFは2026年7月24日、2億2,518万ドルの純流出を記録した。7月17日から続いていた7営業日連続の流入が途切れた形だ。同じ日にイーサリアム現物ETFは2,632万ドルの純流入となっており、BlackRockのIBITから約2億ドルが抜けた分がそのままETH側の商品に向かったとみられる構図が浮かぶ。BTCは6万3,800〜6万4,000ドル圏まで押し戻され、資金の重心が2つの主要銘柄の間で動いた1日となった。

いま相場で何が起きているか

2026年7月25日時点のBTCは6万3,800〜6万4,033ドル圏で推移し、24時間の変動率はソースにより-1.3%から-2.3%とばらつくが、7月23日に付けた6万5,406ドル近辺の高値からは明確に切り下げている。ETHは1,857.43ドル、24時間で-0.5%とBTCより値持ちが良い。

暗号資産市場全体の時価総額は2兆2,800億ドルで24時間-1.1%、出来高は630億ドル規模。BTCドミナンスは56.3〜56.4%、ETHドミナンスは9.85%と、依然として上位2銘柄への資金集中が続いている。恐怖強欲指数は27で「恐怖」圏に沈んだままだ。

AIセクターの時価総額は206億ドル前後まで縮小している。2026年5月末時点の約266億ドルと比べると約23%の目減りで、市場全体が2.2兆ドル台を維持する中でAIセクターだけが取り残されている状態が続く。

何がこの動きを作ったか

直接の引き金はBTC現物ETFの資金フロー反転である。7月24日の純流出2億2,518万ドルのうち、BlackRockのIBIT単体で約2億ドル(ソースにより2億250万〜2億1,200万ドル)を占めた。7月17日から23日にかけて積み上がった7営業日連続・累計約10億ドル規模の流入がここで一旦止まった形だ。

同時にETH現物ETFは2,632万ドルの純流入となり、BlackRockのETHA周辺だけで約5,280万ドルが動いたとの報道もある。BTCとETHの資金フローが同日に逆方向を向いたことから、単純な「暗号資産離れ」ではなく、機関投資家がBTCポジションの一部をETHへ配分し直した可能性が高いとみられている。

AI銘柄については新規の大型材料は確認されていない。TAO・IO.NET・Celestiaが週間で1〜6%安と技術的な弱さを見せる一方、VIRTUALだけが週間7.56%高と逆行している。セクター全体を動かす単一の材料ではなく、銘柄ごとの資金流出入の差がそのまま値動きに表れている状態だ。

ファンダメンタルをどう見るか

今回のETFフロー逆転が一過性の日次ノイズか、配分変更という実質的な変化かは、翌週以降のフローが継続するかで判別できる。7営業日という連続性を1日で打ち消すには、少なくとも数日分の同方向フローが必要になる。現時点では「流入の勢いが止まった」段階であり、「資金が逆流し始めた」と断定するには材料が不足している。

AIセクター206億ドルという水準は、実需の裏付けという観点でも厳しい。5月末からの23%縮小は特定のネガティブイベントによるものというより、BTC・ETHおよびそのETF商品へ資金が吸収され続けた結果としての相対的な縮小に近い。VIRTUALの週7.56%高も、セクター全体の資金流入増ではなく既存資金の銘柄内シフトである可能性が高い。

資金はどこへ動いているか

最も明確なのはBTCからETHへの資金シフトだ。IBITの約2億ドル流出とETH ETFの2,632万ドル流入が同日に発生しており、金額の非対称性(流出額の方が大きい)から、抜けた資金の一部は現金化またはBTC以外の資産へ分散した可能性もある。

AIセクター内では、VIRTUALへの選別的な資金流入が続く一方、TAO・IO.NET・Celestiaからは資金が抜けている。BTCドミナンス56.3%、ETHドミナンス9.85%という水準は、依然としてアルトコイン全体への資金波及が起きていないことを示す。AIセクター206億ドルがこの水準を割り込むか230億ドル台を回復するかが、次の資金フローの方向を測る目安になる。

過去の類似局面との比較

BTCからETHへのETF資金シフトは2026年に入ってから複数回観測されてきたパターンで、多くの場合は数日から1〜2週間で収束し、その後は両者とも横ばいか同方向に転じてきた。今回も7営業日という連続性の長さを踏まえると、単発の配分変更で終わる可能性と、FOMCを前にしたポジション調整の一環である可能性の両方が考えられる。

AIセクターについては、過去にも全面安から特定銘柄だけが逆行高する局面が繰り返されてきたが、その逆行高が長続きした例は少なく、多くは1〜2週間で他銘柄とのギャップが縮小するか、逆行高していた銘柄自身が調整する形で決着している。VIRTUALの週7.56%高がどちらのパターンをたどるかは、今後1〜2週間の値動きで見極める必要がある。

注目銘柄と価格水準

BTCは6万3,800〜6万4,000ドル圏。上方向は7月23日の高値6万5,406ドル、下方向は7月中旬からの安値6万3,700ドル近辺が節目として意識される。ETHは1,857ドル前後で推移し、ETF資金流入が続く限りBTCに対する相対的な底堅さが続くかが焦点となる。

AIセクターではVIRTUALが週7.56%高と逆行しており、次の材料の有無が焦点になる。TAO・IO.NET・Celestiaは週1〜6%安で技術的な弱さが継続しており、セクター全体の時価総額206億ドルからの反転にはこれら主力銘柄の値動き変化が必要になる。いずれも国内取引所での取扱いは限定的で、購入は海外取引所中心となる点に留意したい。

想定されるシナリオとリスク

上方向のシナリオは、ETFフローが翌週にかけてBTC側に戻り、7営業日の流入トレンドが再開する展開である。この場合、FOMCの結果がハト派的であることが条件になりやすく、BTCが6万5,000ドル台を回復すればAIセクターへの資金波及も期待できる。

下方向のシナリオは、IBITからの流出が続き、FOMCがタカ派的な内容となった場合だ。この場合BTCは6万3,000ドルを割り込む可能性があり、AIセクター206億ドルもさらに縮小する展開が想定される。恐怖強欲指数が27からさらに低下するようであれば、リスク資産全般への売りが強まるサインとして注視したい。

まとめ

トレーダーが持ち帰るべき点は3つある。第一に、BTC ETFの7営業日連続流入が途切れ、同日にETH ETFへ資金が向かった事実は、BTCからETHへの配分変更の初期シグナルとして注視に値する。第二に、AIセクターは5月末から約23%縮小した206億ドル圏で低迷が続き、VIRTUALのみが週7.56%高と例外的な逆行高を見せている。第三に、7月28〜29日のFOMCを前に恐怖強欲指数27の恐怖圏にあり、会合結果次第でETFフローの方向とAIセクターの資金流入有無の両方が大きく振れる可能性がある。

なお編集部はClaude Codeによる自動売買を実運用しており、検証結果は運用実績ページとニュースレターで公開している。