AI仮想通貨分析プロンプトとは、ChatGPTやClaudeなどの生成AIに相場データやニュースを渡し、モード判定・エントリー条件・損切りラインといった売買判断の材料を構造化して出力させるための指示文である。結論から言うと、AIに「上がる銘柄を当てさせる」プロンプトは機能しないが、「判断の手順を毎回同じ型で通す」プロンプトは機能する。本記事では、編集部がClaude Codeによる自動売買を実口座で運用する中で実際に使っている判断構造(モード判定→エントリー条件→TP/SL→サイズ決定)をベースに、ChatGPTやClaudeにそのまま貼って使える日本語プロンプトを6本、原文で公開する。各プロンプトには「出力の見方」と「限界」を添えたので、コピペした後に自分の銘柄・時間軸に合わせて書き換えてほしい。
AI仮想通貨分析プロンプトでできること・できないこと
最初に期待値を正しく設定しておく。生成AIは万能の予言機ではなく、「渡した情報を決まった枠組みで整理する道具」である。この前提を外すと、後述する失敗例のほぼすべてを踏むことになる。
| 項目 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 価格予測 | 条件付きシナリオの列挙(上抜け時/下抜け時の想定) | 将来価格の的中・断定 |
| テクニカル分析 | 渡した数値・チャート画像の構造化と解釈 | リアルタイム価格の自動取得(ツールによる) |
| 相場環境認識 | レンジ/トレンドのモード判定基準の適用 | 急変イベント(ハッキング・規制発表)の事前察知 |
| リスク管理 | TP/SL・ポジションサイズの計算と一貫性チェック | 損失の保証・回避 |
| ニュース分析 | 材料の重要度分類と影響方向の整理 | 未公開情報の入手 |
| 振り返り | 取引履歴からの敗因パターン抽出 | 過去の成績から将来の利益を保証すること |
もう1つ重要なのがデータの鮮度である。2026年7月時点、ChatGPTもClaudeもWeb検索機能を持つが、検索を使わない素の状態では学習データの時点までの知識しかない。価格や資金調達率のような分単位で動く数値は、必ず自分で取得してプロンプトに貼り付けるのが基本動作になる。検索機能をオンにした場合でも、AIが引いてくる情報源の鮮度と正確性は保証されないため、売買判断に直結する数値は取引所の板・チャートを一次情報として扱うこと。
準備:AIに何を渡すかで出力の質が決まる
プロンプト本文の前に、入力データの用意を手順化しておく。AI分析の質は「プロンプトの上手さ」より「渡すデータの質」で決まる部分が大きい。
- 分析したい銘柄と時間軸を1つに絞る。BTCの4時間足なら4時間足だけ。複数銘柄を一度に聞くと出力が浅くなる。
- 数値データを取得する。取引所のチャート画面から、直近の高値・安値・現在価格・出来高の増減、可能なら資金調達率をメモする。チャート画像のスクリーンショットを添付できるツール(ChatGPT有料版・Claudeなど)なら画像をそのまま渡す方法も使える。ただし画像読み取りは数値の誤読が起こり得るため、重要な価格は必ずテキストでも併記する。
- ニュース材料を2〜3行で要約しておく。「昨日ETF資金流入がプラスに転換」など、自分が気にしている材料を短く書く。
- 口座残高と1回に取れるリスク額を決めておく。後述のサイズ計算プロンプトで必須になる。例えば「残高10万円、1トレードの許容損失は2%=2,000円」のように具体化する。
この4点をテンプレとしてメモ帳に保存しておくと、毎回の分析が数分で回るようになる。
コピペで使えるAI仮想通貨分析プロンプト6選
ここからが本題である。以下の6本は、編集部が2026年4月から実口座で継続している自動売買運用(オンチェーンDEXのパーペチュアルをAIエージェントに監視・執行させる検証)で使っている判断構造を、手動分析用に書き直したものだ。検証運用の結果自体は良いことばかりではなく、実現損益は約-21ドル(2026年7月上旬のオンチェーン監査で確定)だが、「早期損切りがノイズで刈られる」「建玉が小さすぎて手数料負けする」といった失敗を構造の改善につなげてきた。その改善後の型がこのプロンプト群である。検証結果の詳細は当サイトの運用実績ページで公開している。
プロンプト1:相場のモード判定(レンジかトレンドか)
すべての起点になるプロンプト。編集部の運用でも「いまがレンジ相場かトレンド相場か」の判定を最初に行い、レンジならレンジ端の逆張り、トレンドなら押し目の順張りと、その後の戦略を丸ごと切り替えている。
あなたは仮想通貨のテクニカル分析アシスタントです。以下のデータから、現在の相場が「レンジ」か「トレンド」かを判定してください。
【データ】
銘柄と時間軸: (例: BTC/USDT 4時間足)
直近20本の高値圏: (例: 62,000〜63,500ドル)
直近20本の安値圏: (例: 59,800〜60,500ドル)
現在価格: (例: 61,200ドル)
直近の出来高: (例: 平均比でやや減少)
移動平均の並び: (例: 20MAと50MAがほぼ横ばいで絡み合っている)
【判定ルール】
- 高値と安値がほぼ水平で、価格が上下の端を往復している → レンジ
- 高値と安値が切り上がる(または切り下がる)構造が3回以上続く → トレンド
- どちらとも言えない場合は「判定不能」とし、無理に分類しない
【出力形式】
1. 判定: レンジ / トレンド(上昇・下降) / 判定不能
2. 根拠: データのどこからそう判断したか3点
3. この判定が崩れる条件: 具体的な価格水準で1点
出力の見方: 大事なのは1の判定結果より「3. 判定が崩れる条件」である。ここに出た価格水準を監視ラインにすれば、判定の有効期限が明確になる。限界: 渡したデータが恣意的だと判定も歪む。高値・安値は自分に都合よく丸めず、チャートの実測値を入れること。
プロンプト2:エントリー条件のチェックリスト化
モード判定の次は「入ってよい条件が揃っているか」の確認である。感覚でエントリーしないための関所として使う。
先ほどの判定が「(レンジ/トレンド)」だった前提で、以下のエントリー条件チェックを行ってください。
【私のルール】
- レンジ相場: レンジ上限・下限の端に価格が到達したときだけ逆張りを検討。中央付近では見送り
- トレンド相場: トレンド方向への押し目・戻り(直近の支持帯への接近)だけ順張りを検討。高値・安値追いはしない
- 出来高が急増している瞬間の飛び乗りは禁止
【現在の状況】
現在価格とレンジ・支持帯との位置関係: (記入)
直近1時間の値動きの速さ: (記入)
予定されているイベント: (例: 今夜、米CPI発表あり)
【出力形式】
1. エントリー可否: 可 / 条件不足で見送り
2. 満たしている条件と満たしていない条件を分けて列挙
3. 見送りの場合、どの条件が揃えば再検討できるか
出力の見方: 「可」が出ても即エントリーではなく、次のTP/SLとサイズ計算まで通してから発注する。限界: AIは渡していない条件(板の厚み、清算マップなど)を考慮できない。チェック項目は自分のルールに合わせて追記していくこと。
プロンプト3:TP/SL(利確・損切り)の設計
編集部の運用では利確+3.5%・損切り-4.5%にトレーリングストップを併用する設定を使っている。この数値自体を推奨するものではないが、「先に出口を数値で決めてから入る」構造は普遍的に有効だ。
以下の条件でエントリーする場合のTP(利確)とSL(損切り)を設計してください。
【条件】
エントリー方向と価格: (例: ロング 61,000ドル)
レバレッジ: (例: 現物 or 2倍)
直近の支持線・抵抗線: (例: 支持60,200ドル / 抵抗63,000ドル)
私の基本ルール: 利確は+3.5%、損切りは-4.5%を上限とし、直近の支持・抵抗がその範囲内にあるなら支持・抵抗を優先する
【出力形式】
1. TP価格とその根拠(%と抵抗線のどちらを採用したか)
2. SL価格とその根拠
3. リスクリワード比の計算(想定利益÷想定損失)
4. リスクリワード比が1.0を下回る場合は「このエントリーは見送り推奨」と明記
出力の見方: リスクリワード比が計算されることが最大の価値。1.0未満なら入らない、を機械的に守れる。限界: 支持線・抵抗線の位置は入力者の引き方に依存する。ここが曖昧なら出力も曖昧になる。
プロンプト4:ポジションサイズの計算
編集部の検証で最も痛かった教訓がサイズ設計である。ガス代・手数料に対して建玉が小さすぎると、利確ラインに届いても実質マイナスになる。逆に大きすぎると1回の損切りで再起不能になる。
以下の情報からポジションサイズを計算してください。
【情報】
口座残高: (例: 10万円)
1トレードの許容損失: 残高の2%まで
SLまでの距離: (例: エントリー価格から-4.5%)
レバレッジ: (例: 2倍)
往復の手数料・スプレッドの概算: (例: 約0.15%)
【出力形式】
1. 許容損失額(円)
2. 適正ポジションサイズ(許容損失額 ÷ SL距離で算出。計算式も表示)
3. 手数料を差し引いた実質損益分岐点
4. このサイズで手数料負けしないかの判定(利確幅に対して手数料が10%を超えるなら警告)
出力の見方: 「4」の手数料負け判定が実戦で効く。小資金×小さい値幅の組み合わせは、勝っても増えない構造になりやすい。限界: 計算はあくまで四則演算であり、滑り(スリッページ)や急変時の約定悪化は織り込めない。
プロンプト5:ニュース材料の影響整理
以下のニュースについて、仮想通貨市場への影響を整理してください。憶測で断定せず、過去の類似事例と比較する形で答えてください。
【ニュース】
(見出しと要点を2〜3行で貼り付け)
【出力形式】
1. 材料の分類: 金融政策 / 規制 / 企業・ETF / 技術・チェーン / その他
2. 影響を受けやすい銘柄群と方向(ただし「上がる」「下がる」の断定はせず、「過去の類似局面では〜の傾向があった」の形式で)
3. この材料が既に価格に織り込まれている可能性の考察
4. 自分で追加確認すべき一次情報(公式発表・データの種類)
出力の見方: 「3. 織り込み済みかどうか」の視点を毎回強制できるのが価値。好材料に飛び乗って高値掴みするパターンの抑止になる。限界: AIの学習データより新しい事例は参照できないため、Web検索機能を併用するか、比較対象の過去事例が実在するか自分で確認すること。
プロンプト6:週次の取引振り返り
以下は今週の取引記録です。感情を排して敗因・勝因のパターンを抽出してください。
【取引記録】
(日付 / 銘柄 / 方向 / エントリー価格 / 決済価格 / 損益 / エントリー理由メモ を1行ずつ貼る)
【出力形式】
1. ルール通りのトレードとルール違反のトレードを分類
2. 損失の大きい順に3件を取り上げ、共通パターンを指摘
3. 来週も継続すべき行動を1つ、やめるべき行動を1つ
4. ルール自体の修正候補があれば、修正案と検証方法を提案
出力の見方: 「ルール違反の損失」と「ルール通りでも発生した損失」を分けて見ること。前者は規律の問題、後者はルール改善の材料で、対処がまったく違う。限界: 記録が正直でなければ分析も無意味。エントリー理由メモは負けトレードほど正確に書く。
やってはいけないこと・失敗例7選
プロンプトを配ると必ず出る誤用パターンを先に潰しておく。編集部自身の検証で踏んだ失敗も含む。
- 「明日のBTC価格を予想して」と聞く。生成AIは確率的に文章を生成する仕組みであり、価格の的中能力はない。それらしい数字が返ってくるだけに危険度が高い。
- AIの出力を根拠に全額投入する。プロンプト4のサイズ計算を通さない一点張りは、1回の想定外で退場する。編集部の運用でも建玉下限・上限の設計は人間側の責任として固定している。
- リアルタイム価格をAIが知っている前提で話す。検索機能を使わない状態のAIが答える価格は古いか、もっともらしい創作である。価格は必ず自分で貼る。
- 早すぎる損切り設定をAIの言う通りに多用する。編集部の検証では、浅すぎる早期損切りがノイズで刈られ続けたため廃止し、トレーリングストップ方式に全面リライトした経緯がある。損切り幅は銘柄のボラティリティに合わせて検証してから使う。
- 勝てるプロンプトを探し続けて売買を繰り返す。プロンプトは判断の型であり聖杯ではない。型を頻繁に変えると振り返り(プロンプト6)が機能しなくなり、何が悪いのか永久に特定できなくなる。最低でも2週間・10トレード程度は同じ型で通し、変更は振り返りの結論として1箇所ずつ行う。
- AIに「もう一度分析して」と聞き直して都合のよい答えを引き出す。生成AIは聞き方を変えれば逆の結論も出せる。同じデータで2回聞いて答えが違うのは、データが判断に足りていないサインであり、「見送り」が正解のことが多い。
- 含み損のポジションの言い訳をAIに作らせる。「このまま持っていてよい理由を挙げて」と聞けば、AIはいくらでも挙げてくれる。SLに達したら切る、はプロンプト3で事前に決めた通り執行する。判断をやり直してよいのはポジションを閉じた後だけである。
プロンプトを自分仕様に改造する3つの型
配布したプロンプトはそのままでも動くが、自分の銘柄・時間軸・資金量に合わせて改造すると精度が一段上がる。改造の定石は次の3つである。
型1:変数部分だけを差し替える
各プロンプトの【データ】【条件】ブロックは、毎回書き換える前提の「変数」である。逆に【判定ルール】【出力形式】は基準そのものなので、検証もなしに頻繁にいじらない。メモ帳やメモアプリに「固定部分+空欄の変数部分」の形でテンプレ保存し、変数だけ埋めて貼る運用にすると、分析1回あたりの所要時間は5分を切る。
型2:出力形式を表形式・点数化に固定する
出力が長文で読みにくい場合は、出力形式の指定に「Markdownの表で」「各条件を満たす=1点として合計点を出す」などを追記する。例えばプロンプト2のチェックリストを点数化しておくと、「合計4点以上ならエントリー検討、3点以下は見送り」のように機械的な運用に近づけられる。判断から裁量の余地を減らすことが目的なので、点数の閾値は後から動かさないのがコツだ。
型3:過去の判断例を1つ入れる(ワンショット)
AIの出力が安定しない場合、過去に自分が納得した分析例を1つ、プロンプト内に「回答例」として貼る方法が効く。生成AIは直前の例に出力の粒度・トーンを合わせる性質があるため、例を1つ入れるだけで毎回の出力のばらつきが目に見えて減る。例は勝ちトレードではなく「見送り判断がうまくいった例」を使うと、AIが安易に「エントリー可」を出す傾向への抑えになる。
AI分析にかかる実際のコスト
「AIで分析すればタダで勝てる」わけではない。2026年7月時点の実額を整理する。
| コスト項目 | 目安(2026年7月時点) | 補足 |
|---|---|---|
| ChatGPT無料版 | 0円 | GPT-5.5 Instant・検索可、入力量に上限 |
| ChatGPT Plus | 月額約20ドル | GPT-5.6系の高度な推論モデルが利用可 |
| Claude Pro | 月額17ドル〜 | 年払い換算。月払いは20ドル |
| 取引手数料(Bitget現物) | 0.1%(BGB払い0.08%) | 往復で約0.2%が損益分岐に乗る |
| 取引手数料(Bitget先物) | メイカー0.02%/テイカー0.06% | 資金調達率が別途発生 |
| オンチェーン取引のガス代 | 1回数ドル程度の場合あり | 編集部のDEX検証では小さい建玉が手数料負けした |
月に数回の少額トレードなら、AI利用料は無料枠で十分に収まる。有料プランを検討する目安は「取引記録が長くなり無料枠のコンテキストに入らなくなったとき」であり、勝てていない段階で先に固定費を増やす順番は逆である。
ChatGPT・Claude・自動売買の使い分け
同じプロンプトでもツールによって得意分野が違う。主要な比較軸を「対◯◯」形式で整理する。
対ChatGPT(手動分析の標準)
ChatGPTは2026年7月時点で無料版・Go・Plus・Proのプラン構成になっており、無料版でもGPT-5.5 Instantと検索機能が使える。ただし無料版はコンテキスト(一度に読める量)が約12ページ分と小さく、長い取引記録の振り返りには不向き。プロンプト1〜5の単発分析なら無料版でも十分回る。詳しい使い方は当サイトのChatGPT仮想通貨分析の記事で深掘りしている。
対Claude(長文・ファイル分析に強い)
ClaudeはPDF・Excelなどのファイル添付分析に対応し、長文コンテキストの扱いに強みがある。数カ月分の取引履歴CSVを丸ごと渡すプロンプト6の用途や、プロジェクトのホワイトペーパー分析ではChatGPT無料版より明確に有利。料金は無料プランのほか、Proが月額17ドル(年払い換算)から。Claude特化の分析手順も別記事で解説している。
対市販シグナル配信・「AI予想」サービス
「AIが選んだ爆上げ銘柄」を配信する有料サービスと本記事のアプローチは根本的に別物である。前者は判断根拠がブラックボックスで検証不能なのに対し、プロンプト運用は判断基準が全文自分の手元にあり、失敗時に原因を特定して改善できる。月額数千円〜数万円の配信料を払う前に、まず無料でできる型の運用を試す価値がある。
対自動売買bot(次のステップ)
手動でプロンプト運用が回るようになったら、同じ判断構造をAPI経由で自動化する選択肢が出てくる。編集部の検証運用もこの形で、毎朝6時に起動して24時間相場を監視するAIエージェントに判断と執行を任せている。ただし自動化はAPIキー管理・発注バグ・監視体制など難易度が数段上がるため、まず手動で型を体に入れることを推奨する。
分析から実践へ:小さく試す手順
プロンプトは実際の相場で小さく使ってこそ改善が回る。以下の順序で試すのが安全だ。
- 国内取引所で口座を開設し、日本円の出入口を確保する。日本居住者の資金の基点は金融庁登録済みの国内業者に置くのが大前提である。
- 少額の現物でプロンプト1〜4を2週間運用する。レバレッジなしのBTCまたはETHで、1回のリスクを数百円〜数千円に抑えて型を検証する。この段階の目的は利益ではなく、「プロンプトを通すと自分の判断がどう変わるか」の記録を貯めることにある。エントリーの都度、AIの出力と実際の値動きをスクリーンショットで残しておくと、後の振り返りの質が大きく変わる。
- デリバティブやbot取引まで試したい場合のみ、海外取引所を検討する。編集部が分析→実践の検証先として使っているのはBitgetである。現物手数料0.1%(BGB払いで0.08%)、先物はメイカー0.02%・テイカー0.06%と手数料構造が明瞭で、REST/WebSocket APIが揃っているため、プロンプトで決めた判断構造をそのままAPI自動化に発展させやすい。
- プロンプト6の週次振り返りを固定の曜日に必ず回す。改善が回り始めるのはここからである。
リスクと注意点
海外取引所とAI分析の併用には固有のリスクがある。順に確認してほしい。
- 海外取引所は金融庁登録外: Bitgetを含む海外業者は日本の暗号資産交換業登録を受けておらず、日本の法規制・補償制度の対象外。トラブル時に国内の投資者保護は期待できない。
- 出金制限・サービス変更リスク: 海外業者は規制環境の変化で日本居住者向けサービスを変更・終了することがある。実例として、Bybitは日本居住者向けサービスを終了し、2026年3月23日にクローズオンリー化、7月22日正午に未決済ポジションの強制決済が予定された。資金を1カ所に置きすぎないこと。
- 税務申告は自己責任: 海外取引所の利益も課税対象であり、確定申告が必要。損益計算は取引履歴のエクスポートを習慣化し、具体的な処理は税理士など専門家に相談を。
- AI出力の誤り(ハルシネーション): もっともらしい嘘の数値・実在しない事例が混ざることがある。数値と固有名詞は必ず一次情報で確認する。
- レバレッジの過大使用: 海外先物は最大125倍などの高レバレッジが可能だが、プロンプト4のサイズ計算を通せば、実際に使ってよい実効レバレッジは低倍率に収まるはずである。計算を飛ばして倍率から決めるのは逆順。
- AI利用料と取引コストの累積: ChatGPT PlusやClaude Proは月額20ドル前後、取引手数料・資金調達率も積み上がる。月間の想定利益がコスト合計を下回る規模なら、まず無料プランと少額運用で十分。
- 過去の成績は将来を保証しない: 本記事の設定値(+3.5%/-4.5%等)は編集部の検証環境での値であり、どの相場・どの資金量でも機能する保証はない。コピートレードや他人の実績を参考にする場合も、過去の成績は将来の利益を保証しない。
運用前チェックリスト
- 価格・出来高などの入力データを自分で取得してからプロンプトに貼ったか
- エントリー前にプロンプト1→2→3→4の順で通したか
- リスクリワード比1.0未満・手数料負け判定のトレードを見送ったか
- 1トレードの損失上限を口座残高の数%以内に設定したか
- 資金の基点は国内取引所に置き、海外取引所には必要額だけ送金しているか
- 週次振り返り(プロンプト6)の曜日を決めて記録を残しているか
まとめ
AI仮想通貨分析プロンプトの価値は、予測の的中ではなく「判断の型を毎回同じ精度で通せること」にある。本記事の6本は、モード判定→エントリー条件→TP/SL→サイズ→材料整理→振り返りという一連の構造としてつながっており、単発でつまみ食いするより順番に通すことで効果が出る。まずは国内口座と少額の現物で型を検証し、API自動化やデリバティブまで進みたくなった段階で、手数料構造とAPIが揃った取引所を選べばよい。
最後に本記事の要点を3行に圧縮する。第一に、AIには予測ではなく「同じ判断手順の反復」をさせること。第二に、入力データは必ず自分で取得し、出力の数値と固有名詞は一次情報で検証すること。第三に、サイズ計算と損失上限だけは人間側の責任として固定し、AIの出力がどうであれ超えないこと。この3点を守っている限り、プロンプト運用は「負けにくい仕組み作り」として機能する。逆に1つでも外すと、AIは損失を加速させる道具にもなり得る。道具の性質を理解した上で、小さく始めて記録を残し、週次の振り返りで型を育てていってほしい。
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