Bitget botの手数料とは、取引所の自動売買機能を動かしたときに、約定ごと・保有時間ごと・送金ごとに差し引かれるコストの総体である。結論を先に書く。自動売買が赤字になる原因の多くは相場観の誤りではなく、往復コストを計算せずに回転数を増やしたことにある。1グリッドの利幅が往復手数料の3倍を下回る設計は、約定するほど資産が減る構造になっている。
この記事は、Bitgetのbotを回すときに実際にいくら引かれるのかを分解し、そのままコピーして使える計算式を段階的に提示する。往復コスト、実質利回り、損益分岐点、月間の固定費まで、自分の数字を入れれば「その設定で成立するか」が判定できる状態にすることが目的である。
30秒でわかる「できること」と「限界」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算でわかること | 往復コスト率、1約定あたりの手取り、損益分岐リターン、月間固定費 |
| 計算でわからないこと | 将来の約定回数、相場がレンジに留まるか、スリッページの実測値 |
| 手数料を下げる手段 | メイカー約定に寄せる、回転数を減らす、自社トークン払い、規模で固定費を薄める |
| 手数料で解決しないこと | 想定レンジを外れた含み損、トレンド相場でのグリッドの機能不全 |
| 金融庁登録 | なし(日本の法規制・補償の対象外) |
| 日本円の直接入金 | 不可(国内取引所を経由する) |
限界を先に明示しておく。手数料の計算は「負けない条件」を教えてくれるが、「勝つ条件」は教えてくれない。計算で判定できるのは「この設定は構造的に成立しないので回すべきでない」という否定側だけである。計算をクリアしても、想定レンジを外れれば普通に損失が出る。
Bitgetの手数料体系を分解する
まず何にいくらかかるのかを整理する。以下は2026年7月時点の公表水準だが、手数料は改定されることがあるため、実際に入金する前に公式の手数料ページで最新値を確認してほしい。
| 取引種別 | メイカー | テイカー | 往復(メイカー) | 往復(テイカー) |
|---|---|---|---|---|
| 現物(通常) | 0.1% | 0.1% | 0.2% | 0.2% |
| 現物(BGB払い) | 0.08% | 0.08% | 0.16% | 0.16% |
| 先物 | 0.02% | 0.06% | 0.04% | 0.12% |
ここで押さえるべき点は3つある。
第一に、bot運用で意味を持つのは片道ではなく往復の数字である。botは必ず建てて決済するため、表示されている手数料率を2倍したものが1回の取引にかかる実コストになる。第二に、先物のメイカーとテイカーの差が3倍ある。0.02%と0.06%は絶対値で見れば小さいが、往復では0.04%対0.12%となり、同じ戦略でもコストが3倍変わる。第三に、現物は自社トークンBGBでの支払いで0.1%が0.08%に下がる。2割の削減は、回転数の多いbotほど効いてくる。
なお、レバレッジは最大125倍まで設定できるが、これは手数料とは別の話である。レバレッジを上げると必要証拠金は減るが、名目建玉が増えるため手数料の絶対額はレバレッジに比例して増える。ここは誤解されやすい。証拠金10万円で10倍なら建玉100万円であり、手数料は100万円に対して計算される。
往復コストを計算する
ここからが本題である。以下の式をそのままコピーして、自分の数字を入れてほしい。
【往復コスト率の計算】
往復コスト率(%) = 建玉時の手数料率(%) + 決済時の手数料率(%)
例1: 先物・両方メイカー → 0.02 + 0.02 = 0.04%
例2: 先物・両方テイカー → 0.06 + 0.06 = 0.12%
例3: 先物・入テイカー/出メイカー → 0.06 + 0.02 = 0.08%
例4: 現物・BGB払い → 0.08 + 0.08 = 0.16%
【1回の取引で引かれる金額】
手数料額(円) = 名目建玉(円) × 往復コスト率(%) ÷ 100
例: 建玉100万円・テイカー往復0.12%
1,000,000 × 0.12 ÷ 100 = 1,200円
【自分の数字】
名目建玉 : ______ 円
往復コスト率 : ______ %
→ 1取引あたり手数料 : ______ 円
多くの人がここで初めて気づくのは、建玉が大きいほど1回の手数料額が増えるという当たり前の事実である。レバレッジを上げれば少ない証拠金で大きな建玉を持てるが、その分だけ手数料も膨らむ。「レバレッジで効率よく稼ぐ」という発想は、手数料の側から見ると「コストも同じ倍率で増やす」ことを意味する。
実質利回りと損益分岐点を計算する
次に、「その設定は成立するのか」を判定する式である。
【1約定あたりの手取り率】
手取り率(%) = 想定利幅(%) - 往復コスト率(%)
グリッドbotなら「想定利幅」= 1グリッドの値幅
例: 1グリッド1.0%・先物テイカー往復0.12%
1.00 - 0.12 = 0.88% → 利益の12%が手数料
例: 1グリッド0.2%・先物テイカー往復0.12%
0.20 - 0.12 = 0.08% → 利益の60%が手数料
【判定ライン】
想定利幅 ≧ 往復コスト率 × 3 … 設計として成立しやすい
想定利幅 < 往復コスト率 × 2 … スリッページで容易に赤字化する
【月間の粗利】
月間粗利(円) = 1グリッドの投入額(円) × 手取り率(%) ÷ 100 × 月間往復約定回数
例: 1グリッド5万円・手取り率0.88%・月30回
50,000 × 0.88 ÷ 100 × 30 = 13,200円
【自分の数字】
想定利幅 : ______ %
往復コスト率 : ______ %
手取り率 : ______ %
1グリッドの投入額 : ______ 円
月間往復約定回数(想定) : ______ 回
→ 月間粗利 : ______ 円
この計算で確認してほしいのは、グリッドを細かくするほど有利という直感が、手数料を入れた瞬間に崩れることである。1グリッド0.2%の設定は約定回数こそ増えるが、手取りが0.08%しか残らないため、わずかな滑りで赤字に転じる。設計の順序は「本数を先に決める」ではなく、「往復コスト率の3倍以上の値幅を確保できる本数は何本か」を計算してから本数を決めるが正しい。
手数料以外に効く3つの隠れコスト
粗利が出ていても手残りがゼロになるのは、ここを計算に入れていないからである。
資金調達率(ファンディングレート)。パーペチュアル契約を持ち越すと、通常8時間ごとに発生する。方向とタイミング次第で受け取りにも支払いにもなるが、多くの参加者と同じ方向を持ち続けると継続的な支払いになりやすい。年率換算すると無視できない規模になることがある。
送金コストとガス代。国内取引所の送金手数料が無料でも、ネットワーク手数料は発生する。数ドル程度だが、入れるときと出すときの往復で2回かかる。頻繁に資金を出し入れする運用では積み上がる。
インフラ費。AIに判断させる構成ならAPI利用料やサブスクリプションで月数十ドル規模、VPSを併用するなら追加で月数ドル〜十数ドル。これは取引量に関係なく毎月固定で出ていくため、資金規模が小さいほど致命的に効く。
【月間コストの総額】
月間総コスト(円)
= 取引手数料合計
+ 資金調達率の支払い合計
+ 送金・ガス代
+ AI利用料・サーバー費
【損益分岐リターン】
損益分岐リターン(%) = 月間総コスト(円) ÷ 投入元本(円) × 100
例A: 投入10万円・月間総コスト18,000円
18,000 ÷ 100,000 × 100 = 18.0% → 月18%必要。成立しない
例B: 投入100万円・月間総コスト126,000円
126,000 ÷ 1,000,000 × 100 = 12.6%
例C: 投入100万円・メイカー寄せで総コスト46,000円
46,000 ÷ 1,000,000 × 100 = 4.6%
【自分の数字】
投入元本 : ______ 円
月間総コスト : ______ 円
→ 損益分岐リターン : ______ %
→ その利回りは現実的か: はい / いいえ
例Aと例Cの差が、この記事で最も伝えたい部分である。同じ戦略でも、規模と約定方式を変えるだけで損益分岐点が18%から4.6%まで下がる。相場観を磨く前に、まずここを整えるほうが確実に効く。
設定パターン別に手取りを試算する
式だけでは実感しにくいので、投入元本100万円・BTC/USDTのグリッドという同じ条件で、設定だけを変えた4パターンを並べる。月間往復約定回数はいずれも仮に60回とし、1グリッドあたりの投入額は元本を本数で割った値とする。
| 設定 | 1グリッド値幅 | 往復コスト | 手取り率 | 月間粗利(概算) |
|---|---|---|---|---|
| A: 20本・テイカー | 1.00% | 0.12% | 0.88% | 約26,400円 |
| B: 20本・メイカー | 1.00% | 0.04% | 0.96% | 約28,800円 |
| C: 100本・テイカー | 0.20% | 0.12% | 0.08% | 約480円 |
| D: 100本・メイカー | 0.20% | 0.04% | 0.16% | 約960円 |
同じ元本・同じ約定回数でも、手取りは50倍以上の開きになる。ここから読み取れることを整理する。
第一に、値幅の設計が支配的である。AとCの差は約定1回あたりの取り分の差であり、本数を5倍に増やしても、1回の取り分が11分の1になれば全体では大きく劣後する。「約定回数が多い=よく働いている」という感覚は、収支の観点ではほぼ意味を持たない。
第二に、値幅が薄いほどメイカーへの寄せが効く。AからBへの改善は約9%だが、CからDへの改善は倍である。利幅が薄い設計を選ぶなら、メイカー約定は選択肢ではなく前提条件になる。
第三に、Cのような設定はスリッページで簡単に赤字化する。手取り0.08%は、注文が想定より0.1%不利な価格で通っただけで消える。板が薄い時間帯や急変時には日常的に起こる幅であり、机上の粗利480円は実質的に存在しないと考えたほうがよい。
なお、この試算の「月60回」という前提自体が仮定である。約定回数は相場が決めるものであり、こちらで制御できない。過去の値動きを確認して、その値幅で月何回の往復が現実的だったかを検証してから前提を置いてほしい。レンジが動かない月は約定がほぼ発生せず、固定費だけが出ていく。
やってはいけないこと・実際にやらかした失敗例
編集部は2026年4月からClaude Codeにトレード判断を任せる検証運用を実口座で続けている。オンチェーンDEX(GMX)のパーペチュアルを対象に、毎朝6時起動・翌朝自己終了の日次セッションで24時間監視する構成だ。当初188ドル、その後400ドルを追加入金し、実現損益は約マイナス21ドル(2026年7月上旬にオンチェーン記録を突き合わせた監査で確定)。設定はレバレッジ10倍、利確プラス3.5%、損切りマイナス4.5%、トレーリングストップ併用、建玉下限400ドル。検証の詳細は運用実績ページ(/ai-trading)で公開している。手数料まわりで踏んだ失敗は、取引所が違っても同じ形で再現する。
- コストに対して建玉が小さすぎた。 少額で建てていた期間は、勝ちトレードでも利益がコストに食われて残らなかった。対策として建玉に下限(400ドル)を設けた。この失敗は「勝率を上げれば解決する」と誤解されやすいが、構造的にコストが利幅を上回っている場合、勝率100%でも赤字になる。
- 手数料を片道で計算していた。 表示されている0.06%だけを見て試算すると、実際のコストは2倍になる。往復で計算する癖をつけるまでは、すべての試算が楽観側にずれる。
- 資金調達率を計算に入れていなかった。 建てたまま数日持ち越す設計では、取引手数料より資金調達率のほうが大きくなる局面がある。
- 早すぎる損切りをルール化した。 ノイズに触れるたびに損切りが発動し、そのたびに往復手数料だけが確定した。損切りが多いbotは、損失そのものに加えて手数料の支払い回数も増える。最終的に早期損切りを廃止し、トレーリングストップへ全面的に書き換えた(2026年7月)。
- 「動いているつもり」で放置した。 特定銘柄(WBTC)で発注が意図どおり通っていないバグを抱えたまま稼働させていた期間があり、発注監視(watchdog)の仕組みを差し替えて解消した。手数料計算がどれだけ正確でも、執行が壊れていれば無意味である。
- 好成績の直後に規模を上げた。 数日〜数週間の成績は相場環境の産物である可能性が高い。規模の変更は、手数料控除後の成績を最低1か月分見てからにする。
- 取引履歴を残さなかった。 bot運用は取引回数が膨大になる。年をまたいでから履歴を再構築するのは現実的に困難なので、都度エクスポートして保管する。
手数料を下げる4つの方向を検証する
対テイカー:メイカー約定に寄せる
最も効果が大きい。先物の往復コストは、テイカー0.12%に対しメイカーは0.04%であり、同じ戦略のままコストが3分の1になる。指値で板に置いて待つ設計にできるかが分かれ目で、成行で追いかける発注ロジックを組んでいるなら、まずここを見直す価値がある。ただし指値は約定しないリスクを伴うため、約定率の低下と手数料削減のどちらが大きいかは、実測して比較する必要がある。
対高回転:約定回数そのものを減らす
回転数を半分にすれば取引手数料も半分になる。グリッド本数を減らして1グリッドの値幅を広げる、あるいは判断の時間軸を長くする、という方向である。約定回数は多いほど「働いている感」があるが、収支とは無関係であり、むしろコストの側でしか効かない。回転数を増やして改善するのは、1回あたりの手取りが十分に厚い場合だけである。
対通常決済:自社トークン払いと手数料区分を使う
現物ではBGB払いで0.1%が0.08%になる。2割の削減は単発では小さく見えるが、月100回の往復なら往復0.2%が0.16%になり、取引手数料の総額が2割減ることを意味する。あわせて、自分の注文が現物と先物のどちらの区分で処理されているか、メイカーとして受理されているかを、約定履歴で実際に確認しておきたい。想定と実際がずれていることは珍しくない。
対小口運用:固定費を薄められる規模で回す
AI利用料やサーバー費は取引量に関係なく毎月出ていく。投入10万円で月6,000円の固定費なら年率換算72%の負担だが、投入100万円なら7.2%になる。少額で自動売買を試すことは、コスト面では不利である。挙動の確認は最小サイズやデモ環境で行い、実弾を入れるのは構造を理解してからにするほうが合理的である。
対手動取引:botのコストは本当に割高なのか
見落とされやすい比較軸として、「そもそも手動で取引したほうが安いのではないか」という問いがある。手数料率そのものはbotでも手動でも同じなので、差が出るのは約定回数だけである。手動で月5往復しかしない人が、botに切り替えて月60往復するようになれば、取引手数料は12倍になる。
したがって「botの手数料は高い」という表現は正確ではなく、botは手数料が高くつく使い方を誘発しやすいというのが実態に近い。逆にいえば、botに月5往復だけさせる設計にすれば、コストは手動と変わらない。自動化の価値を「回数を増やすこと」に置くのか、「人間が寝ている間も同じ規律で執行させること」に置くのかで、コスト構造はまったく変わる。編集部の検証運用も、回転数を上げる方向ではなく、判断の一貫性を保つ方向で設計している。
前提:国内取引所を入口と出口として持つ
Bitgetは金融庁登録の暗号資産交換業者ではないため、日本円を直接入金することはできない。日本在住者の資金の流れは、国内の登録業者で口座を作る → 日本円でBTCまたはETHを買う → Bitgetへ送金する → 必要ならUSDTへ両替してbotを回す → 戻すときはBTC/ETHに変換して国内へ送る → 日本円で出金する、という一本道になる。
つまり国内口座は入口であると同時に出口であり、これを持たずに海外口座だけを作っても資金が循環しない。国内取引所を選ぶ際は、暗号資産の送金手数料が無料かどうかを確認しておくと往復コストが変わる。なお国内取引所はUSDTを扱っていないことが多いため、送金はBTC/ETHを経由するのが定石である。送金ネットワーク(ERC20 / TRC20 / BEP20など)の選択ミスは資産喪失に直結するため、アドレスとネットワークの組み合わせは両側の画面で必ず照合してほしい。
手順:コストを確定させてからbotを回す
手順1:国内取引所で口座を開設し、日本円を入金する 本人確認(KYC)は即日〜数営業日。海外送金用にBTCまたはETHを購入しておく。
手順2:Bitgetの口座を作り、二段階認証を有効化する 登録直後に認証アプリで2FAを設定する。SMS単独に依存しない。
手順3:入金する前にKYCを完了させる KYC未完了だと出金が制限されることがある。入金より先にKYCが鉄則で、順序を逆にすると資金が動かせない状態になり得る。
手順4:公式の手数料ページで最新のレートを確認し、表を自分で埋める 記事の数値をそのまま使わず、自分が取引する区分(現物か先物か、BGB払いを使うか)の実レートを確認する。ここで往復コスト率が確定する。
手順5:この記事の計算式に自分の数字を入れて判定する 往復コスト率、手取り率、損益分岐リターンを順に計算する。損益分岐リターンが非現実的な水準なら、その設定では回さない。規模か戦略のどちらかを変える。
手順6:少額でテスト送金し、最小サイズで1週間動かす 最初の1週間で見るのは損益ではなく、約定履歴上の手数料が計算どおりか、メイカーとして処理されているか、スリッページがどの程度かである。
手順7:実測値で計算式を更新してから規模を決める 想定ではなく実測の約定回数とスリッページで計算をやり直す。それでも成立するなら、規模を段階的に上げる。段階的にというのは、いきなり10倍にせず2倍ずつ確認しながら上げるという意味である。規模が変われば板への影響も変わり、スリッページが悪化することがある。
【実測で埋める記録シート(週次)】
計測期間 : ____/__/__ 〜 ____/__/__
往復約定回数 : ______ 回(想定 ______ 回との差 ______ )
支払手数料合計 : ______ 円
資金調達率の収支 : ______ 円(受取なら+、支払なら−)
平均スリッページ : ______ %(約定価格と指値の差の平均)
実現損益(手数料前) : ______ 円
実現損益(手数料後) : ______ 円 ← これがプラスかだけを見る
判定: 手数料後がプラス → 規模を2倍にして再計測
手数料後がマイナス → 値幅を広げる / 回数を減らす / 停止
この記録を4週分ためると、想定と実測のどこがずれていたかが特定できる。多くの場合、ずれるのは約定回数とスリッページの2つである。
Bitget は金融庁登録の暗号資産交換業者ではありません。日本の法規制・補償の対象外であり、出金制限・サービス変更等のリスクがあります。利用は自己責任で、利益は確定申告が必要です。
リスクと注意点
- 金融庁登録がない。 Bitgetは日本の暗号資産交換業者として登録されていない。日本の法規制・補償の対象外であり、トラブル時に国内業者と同等の救済は期待できない。
- 出金が止まるリスク。 システム障害、規制対応、KYCの追加要求などで出金が一時的に制限されることがある。全資産を海外口座に置かないことが最大の防御になる。
- サービス終了・撤退リスク。 Bybitは日本居住者向けサービスを終了し、2026年3月23日にクローズオンリーへ移行、7月22日正午に未決済ポジションが強制決済される流れとなった。海外取引所の特定国からの撤退は現実に起きる。
- 手数料率は改定される。 現在の水準で成立している設計が、改定後も成立するとは限らない。定期的に再計算する必要がある。
- botはレンジを前提とする道具である。 手数料の計算をクリアしても、想定レンジを外れれば含み損が積み上がる。「計算が合っている=勝てる」ではない。
- レバレッジは手数料も増やす。 最大125倍まで設定できるが、名目建玉が増えれば手数料の絶対額も比例して増え、清算までの値幅は狭くなる。
- APIキーの管理。 自動売買に出金権限は不要である。取引権限のみに絞り、IP制限をかけ、キーはソースコードに直書きしない。
- 税務。 暗号資産の利益は原則として雑所得として課税対象になり、海外取引所を使っていても確定申告の義務は変わらない。bot運用は取引件数が多く損益計算が煩雑になるため、具体的な計算方法や申告手続きは税理士など専門家に相談してほしい。
稼働前チェックリスト
- 公式の手数料ページで、自分が取引する区分の最新レートを確認した
- 片道ではなく往復で往復コスト率を計算した
- 想定利幅が往復コスト率の3倍以上あることを確認した
- 資金調達率・ガス代・インフラ費を含めた月間総コストを実額で出した
- 損益分岐リターンを計算し、現実的な水準かを判定した
- 国内取引所(金融庁登録業者)の口座を開設し、出口を確保した
- KYCを入金前に完了させ、二段階認証を認証アプリで有効化した
- APIキーは取引権限のみに絞り、出金権限を外し、IP制限をかけた
- 最小サイズで1週間動かし、実測の手数料が計算と一致することを確認した
まとめ
Bitget botの手数料を考えるうえで最も重要なのは、片道ではなく往復で計算すること、そして想定利幅が往復コスト率の3倍以上あるかを起動前に確認することである。先物のテイカー往復0.12%に対して1グリッド0.2%という設計は、利益の6割が手数料に消える構造であり、スリッページを考慮すれば実質的に成立しない。
手数料を下げる方向は4つに整理できる。メイカー約定に寄せる(往復0.12%→0.04%)、約定回数そのものを減らす、現物ならBGB払いで2割削減する、固定費を薄められる規模で回す。このうち効果が大きいのは1つ目と4つ目で、投入10万円で損益分岐リターン18%だった設定が、規模と約定方式を変えるだけで4.6%まで下がる。
編集部が実口座での自動売買検証で最も高い授業料を払ったのは、相場の読み違いではなく、コストに対して建玉が小さすぎて勝ちトレードでも利益が残らなかった期間だった。計算は勝ち方を教えてくれないが、負ける設定を事前に弾いてくれる。起動ボタンを押す前に、この記事の式に自分の数字を入れてみてほしい。
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