2026年9月26日午前(日本時間)時点、Bittensor(TAO)が9月24日に割り込んだ298ドルの節目を奪回し301.55ドルまで切り返した。AIセクター全体の時価総額もCoinGecko基準で242億ドル(24h+2.4%)まで反発し、9月24日夜の急落局面から地合いが改善している。一方でBTC現物ETFは9月17日から6営業日連続で流入超を記録してきたが、木曜(9月25日)の流入額は1.91億ドルまで急減速し、月初来の勢いに陰りが見え始めた。相場は「AI銘柄は戻したがBTC資金流入は鈍った」というねじれた局面を迎えている。

いま相場で何が起きているか

BTCは84,300〜85,200ドル圏で推移し、9月24日の87,265ドルの週間高値からは伸び悩んでいる。ETHは2,700〜2,738ドル前後で横ばい。AIセクター時価総額は242億ドル(24h+2.4%)まで戻し、9月24日夜に285ドル台まで急落したTAOは301.55ドルまで回復して298ドルの節目を再び上回った。BTCドミナンスは57〜59%のレンジで方向感を欠いており、AIセクターへの資金回帰がBTCシェアを明確に食う段階には至っていない。

何がこの動きを作ったか

9月24日夜の急落は、米中首脳会談(9月23〜25日、ワシントン)を控えたリスクオフでAI銘柄が全面安となったことが主因だった。会談自体はベッセント財務長官が貿易休戦を2027年1月10日まで2か月延長すると発表するにとどまり、市場が期待していた6か月超の延長には届かなかったものの、最悪シナリオである決裂は回避された。この「無難だが物足りない」結果を受けて、過度な警戒で売られていたAI銘柄には買い戻しが入った形だ。加えて9月25日にはPlasma(XPL)が流通供給の63.2%に相当する17.6億枚(1.58億ドル相当)、Humanity(H)が2.665億枚(1,920万ドル相当)をそれぞれアンロックしており、大型の潜在売り圧力を市場は既に織り込みつつ消化している段階にある。

ファンダメンタルをどう見るか

BTC ETFの資金フローを見ると、9月17日から22日にかけて6営業日で28.4億ドルが流入し、うち9月21日(月)の9.99億ドルは2026年で最大の単日流入額だった。しかし木曜(9月25日)は1.91億ドルまで急減速し、月曜のピークから約81%の落ち込みとなっている。それでも2026年通期の累計流入は7.87億ドルとプラス圏に転じており、6月末時点で約55億ドルの資金流出超過だった状況からは大きく改善している。単日の急減速だけで機関投資家の姿勢が転換したと断定するのは早く、今後数営業日の流入継続有無が試金石になる。TAO側では、Grayscaleが単独ETF組成に向けた登録書類を提出したとの報道もあり、機関マネーの受け皿整備が進んでいる点もセンチメント改善に寄与している。

資金はどこへ動いているか

AIセクター内ではNEARとTAOの2銘柄でセクター時価総額の約3分の1を占めており、セクター全体が動く局面ではこの2銘柄が主導する構図が続いている。Venice(VVV)は9月21日の高値34.6ドルから約9%安の31.59ドルまで調整したが、時価総額15億ドル・ランク52位を維持し、年間収益1億ドル超という実需の裏付けを持つ銘柄として相対的な底堅さを見せている。BTCドミナンスが57〜59%のレンジで明確な低下トレンドに入っていない以上、資金がBTCからAIセクターへ本格的にローテーションしているとまでは言えず、両者が並行して資金を集めている段階とみられる。

過去の類似局面との比較

9月24日夜の急落から一両日での切り返しは、これまでも繰り返されてきたAIセクター特有のパターンに近い。TAOは9月7日前後にも週間+34%高からの反落・再反発を経験しており、材料先行で急騰・急落した後に数日でどちらかへ収斂する値動きが多い。今回のケースでは、下落局面の材料(米中会談への警戒)がイベント通過とともに解消したため戻りが早かったが、一過性の連想買い戻しである可能性は残る。BTC ETF流入の急減速についても、8月に月間流入が高水準を記録した後に9月入り後しばらく低調だった前例があり、単月内での強弱の振れ幅は例年並みとも言える。

注目銘柄と価格水準

TAOは301.55ドルで、直近で意識されるのは9月24日の安値285ドルと、節目である298〜300ドル。この水準を維持できるかが次の焦点で、割り込めば再び285ドル方向への調整余地が意識される。Venice(VVV)は31.59ドルで、高値34.6ドルと安値視される28〜30ドル帯のレンジ内にある。Plasma(XPL)はアンロック直後で値動きが荒くなりやすく、当面は需給消化の値動きに注意が必要。いずれも主要な国内暗号資産交換業者では取り扱いがなく、購入するには海外取引所の利用が前提となる。

想定されるシナリオとリスク

上振れシナリオとしては、BTC ETF流入が来週にかけて再加速し、TAOが300ドル台を維持したままNEARなど他のAI銘柄にも資金が波及すれば、AIセクター全体で240億ドル台からの追加反発が視野に入る。下振れシナリオとしては、Plasmaのアンロック分の売却が本格化して需給が悪化した場合や、BTC ETF流入の減速が来週も続いた場合、AI銘柄への資金供給源が細り、TAOが再び298ドルを割り込んで285ドル方向へ調整するリスクがある。いずれも現時点では条件付きのシナリオであり、断定はできない。

まとめ

TAOは9月24日に割り込んだ298ドルの節目を奪回し301.55ドルまで回復、AIセクター時価総額も242億ドルへ反発した。一方でBTC現物ETFの流入は木曜に1.91億ドルまで急減速しており、AI銘柄の戻りとBTC資金流入の勢いにねじれが生じている。Plasmaの大型アンロックの需給消化と、来週のETF流入継続有無が次の焦点になる。なお編集部はClaude Codeによる自動売買を実運用しており、検証結果は運用実績ページとニュースレターで公開している。