2026年9月25日正午(日本時間)時点、AIセクターの時価総額は239.5億ドルで24時間+1.1%と底堅さを保っている一方、今朝方16.6%高で主役だったFET(Fetch.ai/ASI Alliance)は正午には24時間ベースで-6.1%まで急反落した。同じセクター内でNEAR・RENDER・ICPは軒並み6%前後の上昇を維持しており、AIセクターの中で明確な明暗が分かれる展開になっている。
いま相場で何が起きているか
BTCは84,000ドル台前半で伸び悩み、24時間ではほぼ横ばい圏の推移が続く。9月24日には前日比約2%安まで下げ、9月25日も84,000ドル割れの水準で戻りが鈍い。ETHは2,693ドル付近で24時間+0.43%とやや底堅い。
AIセクター全体の時価総額はCoinGecko基準で239.5億ドル、24時間出来高は36.4億ドルで、24時間の変動率は+1.1%。セクター内訳を見ると、NEAR Protocolが4.48ドル(+6.2%)、Internet Computer(ICP)が3.06ドル(+5.8%)、Render(RENDER)が1.83ドル(+6.1%)、Bittensor(TAO)が294.41ドル(+3.4%)と軒並み上昇している。一方でFETは正午時点0.195ドル前後、24時間で-6.1%〜-7%の下落となっており、同じセクター内で最も弱い動きになっている。
何がこの動きを作ったか
FETは今朝方の記事で報じた通り、9月25日午前は0.2276ドル(24時間+16.6%)まで急伸していた。この急騰を受けて短期の7日RSIは74.39まで上昇し、テクニカル的には明確な過熱シグナルが点灯していた状態だった。正午にかけての急反落は、この過熱水準からの利益確定売りが優勢になった結果とみられる。加えて、9月20日にイーサリアム側のFETトークンコンバーターから約156万ドル相当が流出した事案の記憶も残っており、他のAI銘柄に比べて戻り待ちの売りが出やすい心理的な地合いにあると考えられる。
マクロ面では、米中の通商休戦が2027年1月10日まで延長されるとベッセント財務長官が発表したが、市場が期待していた半年超の延長には届かず、相場を押し上げる材料としては機能しなかった。むしろ9月15〜16日のFOMCで政策金利が3.75〜4.00%へ引き上げられたこと、直近のコアPCEインフレ率が3.3%で高止まりしていることの方が、BTCを中心にリスク資産全体の重石になっている。
ファンダメンタルをどう見るか
FETの急反転は、需給要因としては一過性の過熱修正に近い性質が強い。14日RSIは67.37とまだ強気圏を維持しており、ネットワーク側の実需(分散型AIエージェント基盤としての利用拡大)自体に明確な悪材料が出たわけではない。むしろ今朝の16.6%高自体がAIセクター全体の資金流入を映した動きであり、FETはその中で最も値幅が出やすい銘柄として振れ幅が大きくなったと解釈するのが妥当だろう。
セクター全体で見れば、NEAR・ICP・RENDERは24時間ベースで5〜6%台の上昇を維持しており、時価総額239.5億ドルという水準もここ数日の水準から大きく崩れていない。AIセクターへの資金流入トレンドそのものは継続していると判断できる。
資金はどこへ動いているか
BTCドミナンスは9月22日時点で59.2%前後と高水準を維持しており、アルトコイン全体への本格的な資金シフトはまだ限定的とみられる。BTC建て永続契約の資金調達率は年率換算8.18%、Fear & Greed指数は71で「強欲」圏にあり、レバレッジをかけたロングポジションが積み上がりやすい地合いが続く。直近7日間の清算総額は558.23百万ドルで、9月21日には単日で290.01百万ドルの清算が発生、24時間の清算のうち262.50百万ドルがショートポジションという構成比からも、9月21日前後に大規模なショートスクイーズが起きた後の需給が尾を引いていることがうかがえる。
供給面では、9月25日はHumanity Protocol(H)が2億6,647万トークン(約1,930万ドル相当)、Plasma(XPL)が17.6億トークンをそれぞれアンロックする日にあたり、今週(9月第4週)のアンロック合計は9億ドルを超える規模になる。これらはAIセクターの中心銘柄ではないが、アルトコイン市場全体の需給圧迫要因として意識しておきたい。
注目銘柄と価格水準
FETは0.20〜0.22ドル帯が直近のスイングロー水準で、最初の支持ラインとして意識される。ここを維持できるかが、単なる過熱調整で終わるか、下値模索が続くかの分岐点になる。上値では0.30〜0.35ドル帯が過去複数回にわたって戻り売りに押されてきた抵抗帯として残っている。
NEARは4.48ドル、ICPは3.06ドル、RENDERは1.83ドルとそれぞれ24時間で5〜6%高を維持しており、AIセクターの中で相対的に資金が向かっている銘柄群と言える。TAOは294.41ドルで、心理的な節目である300ドルの手前で推移している。
想定されるシナリオとリスク
FETが0.20ドル近辺の支持を維持しつつ反発に転じれば、過熱調整が一巡し、セクター全体の上昇トレンドに再合流するシナリオが考えられる。逆に0.20ドルを明確に割り込む場合は、今朝の急騰自体が短期的な思惑買いだった可能性が高まり、他のAI銘柄にも戻り売り圧力が波及するリスクがある。
BTC側では、84,000ドルを維持できるかが目先の分岐点になる。金利・インフレ懸念が優勢な間はBTCの上値が重くなりやすく、BTCが軟調に推移すればAIセクターを含むアルトコイン全般の上値も抑えられやすい。反対に、コアPCEなど今後発表される指標で利上げ観測が後退すれば、BTC・AIセクターともに反発の余地が出てくる。
まとめ
9月25日正午時点で、AIセクター全体は239.5億ドル・24時間+1.1%と底堅さを保っているが、今朝の主役だったFETだけが過熱修正で24時間-6.1%まで急反落するという内部循環が起きている。BTCは84,000ドル割れ圏で伸び悩み、金利・インフレ懸念が引き続き重石になっている。FETの0.20ドル支持線の攻防と、今週控える大型トークンアンロックの消化状況が、次の値動きを読む上での注目点になる。編集部はClaude Codeによる自動売買を実運用しており、検証結果は運用実績ページとニュースレターで公開している。
