Bybit・Bitgetの代わりを探す人が2026年11月1日までにやること
Bybitの代わりを探す日本居住者が2026年10月4日時点で最優先すべきなのは、Bitgetの段階的制限が始まる2026年11月1日11時(日本時間)より前に、ポジションの整理と資産の移し先を決めることです。Bybitはすでに2026年7月22日に強制決済を終え、日本居住者は出金と一部の両替しかできません。
Bitgetは2026年8月3日に日本居住者の新規登録を止め、11月1日から段階的な制限、12月31日以降に残ったポジションの強制決済という日程をBitget公式の日本居住者向けのお知らせで公表しています。同じ8月3日にはZoomexも新規登録を止めました。
乗り換え先は「金融庁の警告を受けているか」「日本のアプリストアに残っているか」「新規登録できるか」の3点でふるい分けると、選択肢がはっきりします。海外取引所全体の選び方は海外取引所の選び方と比較にまとめています。
11月1日までに確認したい項目は次のとおりです。
- BitgetとBybitに残っている資産・ポジションを一覧にする(通貨・数量・ネットワーク)
- Bitgetで先物・コピートレード・Earn・ボットを使っているなら、11月1日11時までに止めるか決済するか決める
- 日本に住んでいないのに居住判定の通知が来た場合は、11月1日11時までにKYC2(住所証明)を出す
- 移し先(国内取引所・別の海外取引所・自分で管理するウォレット)を1つ決め、口座開設と本人確認を先に済ませる
- 送金ネットワークを送金元・送金先の両方で一致させ、少額で試し送金してから本送金する
- 強制決済や両替で出た損益を記録し、2026年分の確定申告に備える
乗り換え先の候補の1つが、金融庁の無登録業者の警告リストに名前がなく、日本語に対応しているBTCCです。ただしBTCCも金融庁には登録されていない海外業者で、日本の投資者保護の外にある点は変わりません。
Bybit・Bitgetに何が起きたか(2025〜2026年の時系列)
Bybitの日本撤退とは、2025年10月31日の新規登録停止から2026年7月22日の強制決済まで、約9か月かけて日本居住者向けサービスを段階的に閉じた一連の手続きです。Bitgetは同じ流れを約5か月に縮めた日程で進めています。
| 日付 | 取引所 | 出来事 |
|---|---|---|
| 2025年2月 | Bybit・Bitget・MEXC・KuCoin・LBank | 日本のApp Store・Google Playからアプリが削除 |
| 2025年10月31日 | Bybit | 日本居住者の新規登録を停止 |
| 2025年12月22日 | Bybit | 日本居住者向けサービスの段階的終了を発表 |
| 2026年1月22日 | Bybit | KYCレベル2(住所証明)の提出期限 |
| 2026年3月23日 | Bybit | 決済のみ(クローズオンリー)モードへ移行 |
| 2026年7月22日 12時 | Bybit | 未決済ポジションを強制決済、カードサービス停止 |
| 2026年7月24日 | Bybit | 日本での是正措置の完了を告知 |
| 2026年8月3日 | Bitget・Zoomex | 日本居住者の新規登録を停止し、サービス終了を発表 |
| 2026年9月24日 | Bitget | ホットウォレット等から約3.9億ドル相当が流出、出金を一時停止 |
| 2026年9月25日 | Zoomex | 金融庁(関東財務局)が無登録での店頭デリバティブ勧誘として警告 |
| 2026年10月2日 | Bitget | 残りの通貨・法定通貨・P2Pの出金を再開する予定日 |
| 2026年11月1日 11時 | Bitget・Zoomex | Bitgetは決済のみモードとKYC2期限、Zoomexも制限開始の予定 |
| 2026年12月31日 11時 | Bitget | 残ったポジションを強制決済、カードサービス停止 |
日付はBybit公式の日本居住者向けサービス変更のお知らせ、Bybit公式の是正完了のお知らせ、Bitget公式のお知らせを2026年10月4日に確認し、報道と照合しました。
Bybitは「出金と両替だけ」が残っている
Bybitは2026年7月22日12時(日本時間)に残ったポジションを強制決済し、カードサービスを止めました。CRYPTO TIMESのBybit利用可否の解説によれば、その後も日本居住者はBTC・ETH・USDCの間の両替と、暗号資産の出金はできます。
現物・デリバティブ・P2P・ステーキングなどはすでに使えません。Bybitに残高が残っている人は、取引の再開を待つのではなく、出金先を決めて移す段階です。
Bitgetは11月1日に何が止まるのか
Bitgetは2026年11月1日11時から日本居住者の口座を決済のみのモードに切り替えます。新規ポジションの建て増しはできず、決済だけが許されます。for-itのBitget日本撤退の解説では、現物・先物・P2P・Convert・Earn・カード・コピートレード・ボットまでほぼ全商品が対象とされています。
12月31日11時には残ったポジションが市場価格で強制決済されます。決済のタイミングを自分で選べないため、含み損益が大きいポジションほど早めに自分で閉じる判断が必要です。暗号資産の出金は12月31日以降も続くと案内されています。
「日本居住者」と判定される条件
Bitgetは、11月1日11時までにKYC2(住所証明つきの本人確認)を済ませていない口座を日本居住者として扱います。海外に住んでいるのに通知が届いた人は、銀行明細や公共料金の請求書など、KYCの氏名と一致する住所書類を期限前に出す必要があります。
Bitgetハッキング(2026年9月24日)とは:被害額と出金再開
Bitgetハッキングとは、2026年9月24日18時31分(UTC、日本時間25日3時31分)に、Bitgetのホットウォレットとウォームウォレットから資産が不正に送金された事件です。Bitget公式の事後報告では、被害は12アドレス・11チェーンにまたがり、コールドウォレットは影響を受けていません。
被害額は約3.5億ドルから約3.9億ドルへ修正
当初の発表額は3億5,160万ドル(約3.5億ドル)でした。その後の照合で、Bitget公式は約3億8,800万ドル(約3.9億ドル)に修正しています。利用者の口座残高は影響を受けておらず、損失はBitgetの保護基金(Protection Fund)でまかなうと説明しています。
CryptoTimes.ioの9月30日の報道によれば、保護基金は事件後に約3億900万ドルまで積み直されました。
北朝鮮の関与は「疑い」の段階
CryptoTimes.ioの9月25日の報道では、BitgetのCEOが北朝鮮系ハッカーの手口との類似に触れたとされます。一方、Bitget公式の事後報告は「検証された調査結果なしに帰属を推測しない」としており、関与は確定していません。
出金は通貨ごとに段階的に再開
事件直後、リスク管理システムが出金を自動で止めました。再開は通貨とネットワークごとに分けて進められています。
| 再開日時(日本時間) | 対象 | ネットワーク |
|---|---|---|
| 2026年9月28日 17時 | BTC | Bitcoin・BSC |
| 2026年9月29日 17時 | ETH | Ethereum・BSC・Arbitrum・Base・Optimism |
| 2026年9月30日 17時 | USDT | Ethereum・BSC・Solana・Tron |
| 2026年10月2日 17時 | その他の通貨・法定通貨・P2P | 各ネットワーク |
日本撤退の日程(11月1日・12月31日)について、ハッキング後に変更は告知されていません(Bitget公式のお知らせを2026年10月4日に確認)。出金が再開した今は、11月1日を待たずに資産を動かせる状態です。
日本の利用者が気をつけること
ハッキング直後は「補償の手続き」や「出金の優先申請」をうたう偽サイト・偽DMが出回りやすい時期です。Bitgetの公式サイトとアプリ内のお知らせ以外から届く案内は開かず、出金先アドレスも自分で登録したものだけを使います。
海外取引所の撤退段階とは:警告→アプリ削除→新規停止→強制決済
海外取引所の撤退段階とは、金融庁の警告から始まり、アプリ削除、新規登録の停止、決済のみモード、強制決済へと進む、Bybit・Bitgetが実際にたどった順番のことです。今どの段階にいるかを見ると、次に何が起きやすいかが読めます。
警告の有無は、金融庁の無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等(令和8年9月版)と、無登録で金融商品取引業を行う海外所在業者の一覧を2026年10月4日に確認しました。
| 取引所 | 金融庁の警告 | アプリ削除 | 新規登録 | 決済のみ・強制決済 | 現在の段階(2026年10月4日) |
|---|---|---|---|---|---|
| Bybit | 3回(2021年5月・2023年3月・2024年11月) | 2025年2月 | 2025年10月31日停止 | 2026年7月22日に強制決済 | 撤退完了(出金・両替のみ) |
| Bitget | 2回(2023年3月・2024年11月) | 2025年2月 | 2026年8月3日停止 | 11月1日決済のみ・12月31日強制決済 | 撤退手続き中 |
| Zoomex | 2026年9月25日(金融商品取引業の無登録) | 未確認 | 2026年8月3日停止 | 11月1日から制限予定 | 撤退手続き中 |
| MEXC | 2回(2023年3月・2024年11月) | 2025年2月 | 可能 | 未発表 | アプリ削除で止まっている |
| KuCoin | 2024年11月(暗号資産)・2026年3月26日(金融商品取引業) | 2025年2月 | 情報が割れている | 未発表 | 警告が重なっている |
| BingX | 掲載なし | 削除されていない | 可能 | 未発表 | 警告前 |
| BTCC | 掲載なし | 削除されていない | 可能 | 未発表 | 警告前 |
Zoomexは「受け皿」から外れた
Zoomexは2026年8月3日に日本居住者向けサービスの終了を発表し、9月25日には金融庁がZOOMEXに警告したとするあたらしい経済の報道のとおり、無登録で店頭デリバティブ取引を勧誘したとして警告を受けました。
上位の比較記事には、今もZoomexを「Bybitの代わり」として勧めているものがあります。2026年10月時点では新規登録ができないため、乗り換え先の候補から外して考えます。
MEXCとKuCoinは「段階2」で止まっている
MEXCは2回の警告と2025年2月のアプリ削除を受けていますが、jinacoinのMEXC日本人利用の解説では、2026年10月時点で新規登録と本人確認は可能とされています。BybitとBitgetが同じ段階から撤退に進んだ点は意識しておく必要があります。
KuCoinは2024年11月の暗号資産交換業の警告に加え、2026年3月26日に金融商品取引業の無登録として2度目の警告を受けました。新規登録の可否は情報が割れているため、使う前に公式で確認します。
BitMartは全取引を停止
BitMartは2026年8月26日に全取引を停止し、2027年1月31日で運営を終える予定です。残高がある人は出金を急ぐ必要があります。国内ではDMM Bitcoinも廃業しており、取引所の閉鎖は海外だけの話ではありません。
警告リストに載っていないことの意味
金融庁のリストには「掲載されていない者であっても、無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得ます」との注意書きがあります。BTCCやBingXが警告リストに載っていないことは、金融庁に登録されていることや、安全が保証されていることを意味しません。
Bybitの代わりになる取引所の比較表
Bybitの代わりの比較とは、2026年10月4日時点で日本居住者が新規登録できるかを最初の条件にし、そのうえで警告歴・倍率・手数料・日本語対応・入金手段を並べることです。撤退済みや撤退手続き中の取引所は、比較のために残しています。
| 取引所 | 新規登録(日本居住者) | 金融庁の警告 | 金融庁登録 | 最大倍率 | 先物手数料(テイカー/メイカー) | 日本語 | 日本円での入金手段 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BTCC | 可能 | 掲載なし | なし | 500倍 | 0.055%/0.03% | 対応 | クレジットカード(Visa・Mastercard) |
| BingX | 可能 | 掲載なし | なし | 150倍 | 0.05%/0.02% | 対応 | P2P・外部サービス |
| MEXC | 可能 | 2回 | なし | 500倍 | 公式で要確認 | 対応 | カード・P2P |
| KuCoin | 情報が割れている | 2回(種類が別) | なし | 100倍 | 公式で要確認 | 公式で要確認 | P2P |
| Bitget | 停止(2026年8月3日) | 2回 | なし | — | — | — | — |
| Zoomex | 停止(2026年8月3日) | 2026年9月25日 | なし | — | — | — | — |
| Bybit | 停止(2025年10月31日) | 3回 | なし | — | — | — | — |
BTCCの手数料はBTCC公式のVIP・手数料ページで、最大倍率はBTCC公式アプリのApp Store説明で、2026年10月4日に確認しました。BingXの数値はjinacoinのBingX日本人利用の解説の2026年10月時点の値です。
対Bitget:BTCCに移すと何が変わるか
BTCCの無期限先物はVIP0でテイカー0.055%・メイカー0.03%で、VIP1(口座資金200 USDT以上など)ではテイカー0.05%・メイカー0.025%です。BTCC公式の手数料ページには「他の取引所からVIPステータスを+1に昇格」する案内も載っています。
コピートレードはBTCCにもありますが、Bitgetでフォローしていたトレーダーが同じように在籍しているとは限りません。移った後は、成績と運用期間を見直してから選び直します。使い方の全体はBTCCの使い方で確認できます。
対MEXC:銘柄数は多いが撤退段階が進んでいる
MEXCは扱う銘柄が多く、新規登録も続いています。ただし警告2回とアプリ削除という点で、撤退前のBybit・Bitgetと同じ位置にいます。次の乗り換えを避けたい人ほど、この段階の差を重く見る必要があります。
対BingX:警告前だが倍率と入金手段が異なる
BingXはBTCCと同じく警告リストに載っておらず、アプリも残っています。最大倍率はBTC無期限先物で150倍、日本円の入金はP2Pや外部サービス経由です。カードで直接USDTを用意したい人と、P2Pに慣れた人とで向き不向きが分かれます。
対パーペチュアルDEX:口座凍結のリスクが構造的に小さい
取引所に資産を預けないパーペチュアルDEXは、運営者が日本居住者の口座を閉じるという形の撤退がありません。運営者CryptoAIもHyperliquidでLLMとルールベースを組み合わせた自動売買botを実運用しています。
その代わり、秘密鍵の管理、ブリッジ、日本語サポートがないことなどの負担は自分で負います。仕組みと注意点はパーペチュアルDEXの始め方で整理しています。
BitgetやBybitからBTCCへ資産を移す手順
BitgetやBybitからBTCCへ資産を移す手順とは、BTCCで口座と入金アドレスを用意し、送金元の出金画面で同じネットワークを選んで送る作業です。ここでは公式に公開されている手数料と条件を、2026年10月4日に確認した値で示します。運営者が実際に送金した体験記ではありません。
手順1:BTCCの口座を開設して本人確認を済ませる
BTCCの口座開設はメールアドレスか電話番号で始め、運転免許証やパスポートで本人確認をします。BTCC公式の入金ガイドでは、本人確認は通常24時間以内に終わると案内されています。画面の流れはBTCCの口座開設で解説しています。
手順2:送る通貨とネットワークを決める
最初に決めるのは「何を、どのネットワークで送るか」です。送金元と送金先の両方が対応しているネットワークでなければ、資産が届かずに失われることがあります。BitgetとBTCCの公式値を並べると次のとおりです。
| 通貨・ネットワーク | Bitgetの出金手数料 | Bitgetの最低出金額 | BTCCの入金手数料 | BTCCの最低入金額 |
|---|---|---|---|---|
| USDT・BEP20(BNB Smart Chain) | 0.01 USDT | 10 USDT | 無料 | 1 USDT |
| USDT・Arbitrum One | 0.1 USDT | 10 USDT | 無料 | 1 USDT |
| USDT・Solana | 0.5 USDT | 10 USDT | 無料 | 1 USDT |
| USDT・TRC20(Tron) | 1.5 USDT | 10 USDT | 無料 | 1 USDT |
| USDT・ERC20(Ethereum) | 2 USDT | 10 USDT | 無料 | 1 USDT |
| BTC・Bitcoin | 0.00002 BTC | 0.0005 BTC | 無料 | 0.00002 BTC |
| ETH・Arbitrum One | 0.000002 ETH | 0.0037004 ETH | 無料 | 0.001 ETH |
| XRP・XRP Ledger | 0.2 XRP | 5 XRP | 無料 | 2 XRP |
Bitget側はBitget公式APIの通貨・ネットワーク情報、BTCC側は公式の手数料ページ「入金&出金」タブの値です。どちらもネットワークの混雑で予告なく変わるため、送金の直前に出金画面の表示を確認してください。
Bybitの出金手数料は日本居住者が見られる公開一覧が限られるため、Bybitの出金画面に表示される手数料と最低出金額を基準にします。BTCCが受け付けるネットワークは上の表と同じものから選びます。
手順3:BTCCで入金アドレスをコピーする
BTCCのアプリかサイトで「入金」から通貨とネットワークを選び、表示されたアドレスをコピーします。XRPのようにタグ(メモ)が必要な通貨は、アドレスとタグの両方を控えます。最低入金額未満の入金は反映されないと、BTCC公式の手数料ページに明記されています。
手順4:送金元で出金を申請する
Bitget(またはBybit)の出金画面で、手順2と同じネットワークを選び、BTCCのアドレスを貼り付けます。最初は最低出金額を少し上回る程度の少額で送り、BTCCに着金したことを確かめてから残りを送ります。
手順5:着金を確認して先物口座に振り替える
着金すると、BTCCの資産画面に残高が表示されます。BTCC公式の暗号資産入金の案内では、入金した暗号資産は先物取引口座へすぐ振り替えられるとされています。取引を始める前に、証拠金の設定と損切りの位置を決めておきます。
手順6:BTCCから出すときの条件も先に読む
BTCCから外へ出すときは、出金手数料(USDT・TRC20で1.5 USDT、BTCで0.0001 BTCなど)がかかります。さらにBTCC公式の出金ガイドでは、累計の建玉証拠金が累計入金額の30%未満のときに、出金額の6%の追加手数料がかかると案内されています。
BTCC公式サポートの出金手数料ルール調整のお知らせでは、2023年12月25日以降、対象はBTCCで購入した暗号資産の累計額に限られ、送金で入れた分は含まないとされています。カード入金を使う人は特に確認が必要です。
残った資産の出金と確定申告の扱い
残った資産の出金とは、撤退した取引所の残高を国内取引所か自分で管理するウォレットへ移し、損益を確定申告に反映させるまでの作業です。BybitもBitgetも、強制決済の後も暗号資産の出金は続けられると案内しています。
国内取引所へ戻す場合
日本円に戻したいなら、金融庁に登録された国内取引所に暗号資産を送り、そこで売却して出金します。送金前に、国内取引所がその通貨とネットワークの入金に対応しているか、トラベルルールで送金元の取引所名の申告が必要かを確認します。候補は国内取引所の比較で整理しています。
自分で管理するウォレットへ移す場合
いったん自分のウォレットに退避させる方法もあります。取引所の撤退や事故の影響は受けにくくなりますが、秘密鍵やシードフレーズをなくすと誰も復旧できません。金額が大きいほど、ハードウェアウォレットの利用や控えの保管方法まで決めてから移します。
確定申告で押さえる点
国税庁のタックスアンサー(暗号資産の課税関係)のとおり、暗号資産の売却や交換で出た利益は原則として雑所得で、ほかの所得と合算する総合課税です。強制決済で確定した損益も、2026年分の所得に含めて計算します。
海外取引所での取引も申告の対象で、暗号資産どうしの交換(例:BTCをUSDTに替える)も利益の計算が必要です。自分の口座どうしの送金そのものは売却ではありませんが、取得価額の記録は引き継ぐ必要があります。
撤退した取引所は取引履歴をいつまで出せるかが分からないため、今のうちに取引履歴・入出金履歴のCSVを保存しておきます。計算が複雑な場合は、税理士や税務署に相談してください。
改正金商法で海外取引所の利用はどう変わるか
改正金商法とは、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」で、2026年7月15日に成立しました。金融庁の法律案説明資料では、暗号資産部分の施行は公布から1年以内とされています。
無登録業者への対応が強まる
説明資料によれば、無登録業に対する罰則は拘禁刑3年から10年へ引き上げられます。さらに、金商法に違反する無登録業者による売付けは原則として無効とする民事効の規定の対象に加わります。海外取引所の側にとって、日本居住者を相手にし続ける負担が大きくなる内容です。
推奨には「対価を受けた」表示が必要になる
対価を受けて暗号資産の取引判断について意見を表示する場合に、その旨の表示を義務づけるステルスマーケティング規制も新設されます。インサイダー取引規制も暗号資産に広がります。海外取引所を紹介する記事やSNS投稿の見え方も、施行後は変わる見込みです。
税制は施行の翌年から変わる見込み
暗号資産の利益に20%の申告分離課税を適用する方針は、改正法の施行の翌年1月1日以降の取引が対象とされています。2026年分の確定申告は、これまでどおり雑所得の総合課税で考えておくのが安全です。制度の全体像は海外取引所の規制と金融庁の動きで追っていきます。
Bybitの代わりを選ぶときのリスクと注意点
乗り換え先を選ぶときのリスクとは、取引所そのものの撤退・事故に加えて、送金ミスや税務の取りこぼしまで含めた、移行の過程で資産を減らす要因のことです。主なものを7つに分けて並べます。
- 乗り換え先も撤退する可能性がある:BTCCを含む海外取引所は金融庁未登録で、警告→アプリ削除→新規停止の段階が今後始まることもあり得ます。資産を1か所に集めすぎないことが前提です。
- 日本の投資者保護の外にある:トラブル時に日本の法律に基づく救済は期待しにくく、苦情の窓口も海外になります。
- 送金ネットワークの選択ミス:送金元と送金先でネットワークが違うと、資産が届かないことがあります。タグ(メモ)の入れ忘れも同様です。
- 高倍率による急な損失:500倍のような倍率は、わずかな値動きで証拠金を失う水準です。倍率は上限ではなく、損切りの幅から逆算して決めます。
- 出金時の追加手数料:BTCCの6%の追加出金手数料のように、取引所ごとに出金の条件があります。入金前に読んでおかないと、移した資産がすぐには動かせないことがあります。
- 偽サイト・偽サポート:撤退やハッキングの直後は、補償や移行支援をうたう詐欺が増えます。ブックマークした公式サイトだけを使います。
- 確定申告の取りこぼし:強制決済や両替で利益が確定していることに気づかず、申告から漏れるケースがあります。履歴は撤退前に保存します。
BTCCの安全性や評判を詳しく知りたい人は、BTCCの評判で警告歴・運営年数・保有資産証明(PoR)を整理しています。
Crypto-AINewsの見立て:次の撤退は「段階2」の取引所から
過去の流れを見ると、撤退は突然ではなく段階を踏んで起きています。Bybitは2024年11月の3回目の警告から2025年2月のアプリ削除、2025年10月の新規停止まで約11か月でした。Bitgetは2024年11月の2回目の警告から2026年8月の新規停止まで約1年9か月かかりました。
この順番が続くなら、次に動きやすいのは警告とアプリ削除を受けたまま止まっているMEXCやKuCoinで、2026年9月に警告を受けたZoomexはすでに撤退を発表しています。改正金商法の施行が近づくにつれ、この間隔は短くなる可能性があります。
外れる可能性もあります。警告が出ても長く営業を続けた例はあり、MEXCはアプリ削除から1年半以上たっても新規登録を続けています。予測ではなく、自分の取引所がどの段階にいるかを定期的に確かめることが現実的な備えです。
まとめ:11月1日までに「移し先」と「ネットワーク」を決める
Bybitは2026年7月22日に撤退を終え、Bitgetは11月1日に決済のみモード、12月31日に強制決済を迎えます。9月24日のハッキングで止まっていたBitgetの出金は、10月2日までに段階的に再開しました。
乗り換え先は、新規登録できるか、金融庁の警告を受けているか、アプリが残っているかで絞り込めます。2026年10月4日時点で新規登録でき、警告リストに名前がない候補にはBTCCとBingXがありますが、どちらも金融庁には登録されていません。
移すときは、送金元と送金先で同じネットワークを選び、少額で試してから本送金します。強制決済や両替で出た損益は2026年分の確定申告に入れ、取引履歴は撤退前に保存しておきます。
