結論:海外取引所の利用者は違法ではないが、日本の保護は受けられない
海外取引所の規制とは、金融庁に登録せずに日本居住者へサービスを提供する「業者」を取り締まる仕組みであり、使う個人を罰するものではありません。2026年7月に成立した改正金商法でも、利用者への罰則は新設されていません。
ただし「違法ではない」ことと「守られている」ことは別です。無登録の海外業者には、国内の登録業者に課される分別管理や補償の仕組みが及ばず、撤退や出金停止が起きても日本の制度では救済されにくいのが実情です。
改正の柱は、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移し、無登録業者への罰則を拘禁刑3年から10年に引き上げることです。金融庁の法案概要と金融庁の説明資料に、移管と罰則強化が明記されています。
海外取引所の一覧や基本は海外取引所のまとめで整理しています。この記事は「法律が変わると、海外取引所の利用者に何が起きるのか」に絞って、金融庁の資料と2026年10月7日に確認した無登録業者リストをもとに解説します。
暗号資産の改正金商法とは:資金決済法から金商法への移管
暗号資産の改正金商法とは、2026年7月15日に成立した「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」のうち、暗号資産の規制を金商法に移す部分を指します。日本経済新聞の成立報道でも、利用者保護に力点を置いた改正と報じられました。
これまで暗号資産は「決済手段」として資金決済法で規制されてきました。説明資料は、国内の口座開設数が1,400万を超え、取引動機の多くが値上がり期待である点を挙げ、投資対象として金商法で扱う理由を説明しています。
暗号資産は株式などの有価証券とは別の「金融商品」として位置づけられます。暗号資産交換業者の名称は「暗号資産取引業者」に変わり、第一種金融商品取引業に相当する規制がかかります。
改正の4本柱
説明資料は、改正の中身を次の4つに整理しています。
- 無登録業者等への対応の強化(罰則引上げ、証券取引等監視委員会の犯則調査、裁判所の緊急差止命令)
- 情報の非対称性を解消するための情報公表規制(ホワイトペーパー相当の情報の公表義務)
- 暗号資産取引業者への規制強化(責任準備金、取り扱う銘柄の基準、業務管理体制)
- インサイダー取引規制の創設を含む不公正取引規制の強化
国内の取引所に新しく求められること
国内の登録業者には、不正流出に備えて顧客への補償原資となる「責任準備金」の積み立てが義務づけられます。秘密鍵をインターネットから切り離して管理するコールドウォレット等の安全管理も、金商法に同様の規定が置かれます。
さらに内閣府令で、新規口座の開設直後は外部の個人ウォレットへ送れない「熟慮期間」を設けるなど、詐欺の支払い手段に使われないための措置も予定されています。こうした保護は、登録業者を使う人だけが受けられるものです。
対価を受けた推奨の表示義務
改正では、対価を受け取って暗号資産の取引判断について意見を述べる場合、対価を受けている旨の表示が義務づけられます。いわゆるステルスマーケティング規制で、SNSやオンラインサロンでの勧誘も念頭に置かれています。
海外取引所を紹介する発信を見るときは、紹介料を受け取っているかどうかの表示が判断材料の一つになります。施行後に表示のない推奨が続く場合、その発信者の情報は慎重に扱うのが無難です。
暗号資産の金商法改正はいつから?施行スケジュール
暗号資産に関する部分は、公布日の2026年7月23日から1年以内に施行されます。つまり遅くとも2027年7月22日までに、政令で定める日から新しい制度が動き出します。
一方で、一部の規定はすでに施行されています。金融庁の政令公布の告知によると、金商法上の無登録業に対する罰則の引上げと、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加は、2026年8月12日から施行されました。
| 日付 | 出来事 | 海外取引所の利用者への関係 |
|---|---|---|
| 2026年3月31日 | 所得税法等の改正が成立(分離課税の枠組み) | 国内業者経由の取引が20%課税の候補に |
| 2026年7月15日 | 改正金商法が国会で成立 | 制度の方向が確定 |
| 2026年7月23日 | 公布 | ここから1年以内に暗号資産部分が施行 |
| 2026年8月12日 | 金商法の無登録業の罰則を拘禁刑5年→10年に引上げ | 先物を無登録で提供する業者への罰則が重くなる |
| 2027年7月22日まで | 暗号資産の金商法移管が施行(政令で日付を決定) | 現物の無登録業者も罰則10年の対象に |
| 施行日の翌年1月1日 | 20.315%の申告分離課税が始まる見込み(2028年1月の見方が多い) | 海外取引所の取引が対象になるかが焦点 |
「8月12日から海外取引所が使えなくなる」は誤解
8月12日に施行されたのは、もともと金商法で規制されている無登録業の罰則です。コインチョイスの解説も、この日を境に日本居住者が海外取引所を一斉に使えなくなる制度ではないと整理しています。
現物の暗号資産交換業の罰則(資金決済法の拘禁刑3年)が10年に変わるのは、暗号資産部分の施行日からです。日付の違う2つの改正が混同されやすいので、ニュースを読むときは「どの法律の、どの規定か」を確認すると誤解を防げます。
海外取引所の利用者に起きること
改正で規制が強まるのは業者側ですが、利用者の環境にも影響は及びます。ここでは「罰則」「契約の効力」「税金」「インサイダー規制」の4点について、法律家や税理士の解説を踏まえて整理します。
無登録業者の罰則10年は業者向け
説明資料では、無登録業に対する罰則を資金決済法の拘禁刑3年から、金商法の拘禁刑10年(今回5年から引上げ)の対象にすると説明しています。BUSINESS LAWYERSの長島・大野・常松法律事務所の解説でも、罰金は1,000万円以下に引き上げられるとされています。
ここで罰せられるのは、登録せずに業として暗号資産の取引を提供する者です。法案概要と説明資料を確認した範囲では、海外の無登録業者を使った個人を処罰する規定は見当たりませんでした。
先物(デリバティブ)はすでに金商法の対象
暗号資産を原資産とする先物やCFDなどの店頭デリバティブは、2020年5月1日施行の改正で金商法の規制対象になりました。BUSINESS LAWYERSのZeLo法律事務所の解説によると、業として行うには第一種金融商品取引業の登録が必要で、個人のレバレッジ上限は2倍です。
海外取引所の多くが提供する最大100倍超の無期限先物は、日本の登録業者では提供できない水準です。先物の仕組みはビットコイン先物のやり方で解説しています。そのため先物を日本居住者に提供する海外業者は、金商法上の無登録業として警告の対象になり得ます。2026年8月12日以降、その無登録業の罰則は拘禁刑10年以下です。
無登録業者による売付けは原則無効に
改正により、金商法に違反する無登録業者による暗号資産の売付けは、暴利行為と推定されて原則として無効になります。立証責任を業者側に移す「民事効」の規定で、買い手が契約の無効を主張しやすくする仕組みです。
ただし長島・大野・常松法律事務所のニューズレターによると、対象は国内の登録業者が取り扱っていない暗号資産に限られます。ビットコインやイーサリアムのように国内で売買できる銘柄は、この規定の対象外です。
海外取引所でしか買えない新興トークンを無登録業者から買った場合に、関係してくる規定といえます。無効を誰がどう主張できるか、海外の業者から実際に返金を受けられるかは、施行後の運用を見ないと分かりません。
分離課税の対象外になる可能性:確認できていない
暗号資産の税金は、雑所得として最大55%の総合課税から、20.315%の申告分離課税に変わる見込みです。施行日の翌年1月1日からの適用で、カオーリア会計事務所の解説は2028年1月以降の取引分という見通しを示しています。
税理士の解説では、分離課税は国内の暗号資産取引業者を通じた譲渡に限られ、海外取引所やDEXでの売却は総合課税のままになるとされています。泉純税理士の取引経路の解説は「どこで売るか」が課税方式を決めると整理しています。
一方で、海外取引所での取引が対象外になることを、政令・省令・国税庁の通達といった最終的な条文で確かめることは、2026年10月4日時点ではできませんでした。対象外という前提で計画を立てつつ、確定は今後の公表待ちと考えるのが妥当です。
分離課税と総合課税の損失は相殺できないとされる点も重要です。海外取引所で出た損失を、国内取引所の利益と通算できない可能性があります。具体的な判断は、税理士など専門家への相談をおすすめします。
インサイダー取引規制の新設
暗号資産のインサイダー取引規制が新しく設けられ、罰則は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です。対象は国内の暗号資産取引業者で扱われる暗号資産で、発行者や取引業者の関係者が未公表の重要事実を知って売買することが禁止されます。
重要事実には、取引業者による取扱開始や取扱中止、発行済み量の20%以上といった大量売買が挙げられています。一般の利用者が該当する場面は限られますが、海外取引所での売買にどこまで及ぶかは、政省令を待つ必要があります。
海外取引所の撤退の5段階と各社の現在地
過去の撤退例を並べると、海外取引所の日本撤退はほぼ同じ順番で進んでいます。金融庁の警告から始まり、強制決済で終わる5つの段階です。
| 段階 | 起きること | 利用者への影響 |
|---|---|---|
| 1. 金融庁の警告 | 無登録業者リストに掲載される | すぐには変わらない |
| 2. アプリの削除 | 日本のApp Store・Google Playから消える | 新しい端末に入れられない |
| 3. 新規登録の停止 | 日本居住者の口座開設を止める | 新しく使い始められない |
| 4. 決済のみ(クローズオンリー) | 新規の建玉や入金ができなくなる | ポジションを閉じるだけになる |
| 5. 強制決済 | 残っているポジションを業者が決済 | 出金と両替だけが残る |
各社の現在地(2026年10月7日確認)
金融庁の警告には、資金決済法にもとづく暗号資産交換業のリストと、金商法にもとづく金融商品取引業のリストの2種類があります。下の表では、暗号資産交換業の無登録業者リストと金融商品取引業の無登録業者リスト(令和8年9月25日更新)の両方を2026年10月7日に確認しました(10月7日時点で9月25日版が最新)。
| 取引所 | 資金決済法リスト | 金商法リスト | 現在の段階 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| Bybit | 3回(2021年5月・2023年3月・2024年11月) | 1回(2021年6月) | 5(完了) | 2026年7月22日に強制決済、出金と両替のみ |
| Bitget | 2回(2023年3月・2024年11月) | 1回(2025年6月) | 3→4へ移行中 | 2026年8月3日に新規停止、11月1日から段階的制限 |
| MEXC | 2回(2023年3月・2024年11月) | 1回(2025年6月) | 2 | アプリ削除済み、新規停止の発表なし |
| KuCoin | 1回(2024年11月) | 1回(2026年3月) | 2 | アプリ削除済み |
| Zoomex | なし | 1回(2026年9月) | 1 | 撤退の公式告知は確認できず |
| BTCC | なし | なし | 該当なし | 金融庁登録はなし |
BitMartは日本の規制とは別に、事業そのものを終える例です。CoinPostの報道によると、2026年8月26日に全取引を停止し、2027年1月末で運営を終了します。撤退の形は、規制による段階的撤退だけではありません。
Bybit:第5段階まで完了
Bybitは2025年10月31日に新規登録を止め、2026年3月23日に決済のみのモードへ移り、7月22日に残りのポジションを強制決済しました。CRYPTO TIMESのまとめによると、現在できるのは暗号資産の変換と出金だけです。
撤退の発表は2025年12月22日で、発表から強制決済まで約7か月でした。移行先の考え方はBybit・Bitgetからの乗り換え先にまとめています。
Bitget:第3段階から第4段階へ
Bitgetは公式の日本居住者向けのお知らせで、2026年8月3日以降の新規登録を受け付けないと発表しました。11月1日までに住所確認を含むKYC2を終えない口座は日本居住者と判定され、同日から段階的に制限されます。
2026年12月31日以降、残ったポジションは強制決済されます。さらに9月24日にはホットウォレットから約3.9億ドルが流出し、出金が一時止まりました。財経新聞の報道によると、出金は9月28日のBTCから順に再開し、残りの通貨は10月2日の再開予定と発表されていました。
MEXC:第2段階にとどまる
MEXCは2025年2月に日本のアプリストアから削除されましたが、日本居住者の新規登録の停止は2026年10月7日時点で発表されていません。コインオタクの解説では、アプリ削除は金融庁の要請によるものとされています。
Bybitも同じ第2段階から1年足らずで新規停止に進みました。MEXCには金商法リストの警告も加わっており、今後の段階移行に注意が必要です。
BTCC:両リストとも掲載なし
BTCCは、資金決済法と金商法のどちらの無登録業者リストにも、令和8年9月版(2026年10月7日確認)の時点で名前がありません。ただし金融庁に登録している業者でもありません。
BTCCの機能や手数料(無期限先物はVIP0でテイカー0.055%・メイカー0.03%、公式手数料ページで2026年10月4日に確認)はBTCCの評判で詳しく扱っています。
リストに載っていないことは、無登録業に当たらないという意味ではありません。後の章で触れるとおり、リスト自体が「掲載されていない者でも無登録業に該当し得る」と明記しています。
Zoomexが金商法で警告された意味
Zoomexへの警告は、2026年9月25日付で関東財務局が出しました。あたらしい経済の報道によると、理由は「インターネットを通じて、無登録で店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていた」ことです。
注目したいのは、Zoomexが資金決済法の暗号資産交換業リストではなく、金商法のリストだけに載った点です。現物の取引所としてではなく、先物を中心とするデリバティブ業者として警告されたことになります。
警告の主軸が金商法側に移っている
金商法リストを時系列で見ると、2025年6月にBitgetとMEXC、2026年3月にKuCoin、9月にZoomexと、暗号資産業者への警告が続いています。いずれも「店頭デリバティブ取引の勧誘」が理由です。
かつての警告は資金決済法の交換業リストが中心でした。現物より先物の利用者が多い海外取引所に対して、金商法の枠組みで対応する流れが見て取れます。暗号資産全体が金商法に移れば、この区別そのものがなくなります。
8月12日の罰則引上げ後に出た警告
Zoomexへの警告は、金商法の無登録業の罰則が10年に引き上げられた2026年8月12日より後に出ました。警告そのものは罰則の適用を意味しませんが、業者側にとっての法的リスクは以前より重い状態です。
これまでの例では、警告の後にアプリ削除や新規停止が続いています。Zoomexの日本居住者向けサービスの終了や新規登録の停止について、公式の告知は2026年10月7日時点で確認できませんでした。利用している場合は公式のお知らせを定期的に確認してください。
金融庁の警告リストの見方
金融庁の無登録業者リストは、どの業者に警告書が出たかを公表したものです。読み方を間違えると「載っていないから安全」と誤解しやすいので、仕組みを押さえておきましょう。
リストは2種類ある
1つ目は、資金決済法にもとづく「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」です。現物の売買や交換を無登録で提供した業者が載り、2026年9月にはIZAKA-YAを運営するIzakaya Limitedが追加されました。
2つ目は、金商法にもとづく「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」です。FXや先物、投資助言など幅広い業者が載る長いリストで、暗号資産の先物を提供する海外取引所もここに入ります。
留意事項に書かれていること
どちらのリストにも、掲載されるのは警告書を出した時点で無登録営業が確認できた者に限られる、と書かれています。そのため掲載されていない者でも無登録業に当たる行為をしている場合がある、と明記されています。
また、掲載された情報は現在の営業状況を示すものではなく、名称や所在地も最新とは限らないとされています。リストは「過去に警告を受けた事実」の記録であり、業者の安全性を評価する一覧ではありません。
確認の手順
業者名を調べるときは、次の順番で確認すると漏れを防げます。
- 金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」に名前があるか確認する(登録業者かどうか)
- 暗号資産交換業の無登録業者リストで、サービス名と運営会社名の両方を検索する
- 金融商品取引業の無登録業者リストで、同じく検索する(先物を扱う業者は特に)
- 掲載時期の欄を見て、警告が何回・いつ出ているかを数える
- 業者の公式サイトで、日本居住者向けのお知らせや利用規約の変更がないか確かめる
確認のチェックリスト
- 運営会社名とサービス名の両方で検索した
- 資金決済法と金商法の2つのリストを両方見た
- 警告の回数と最新の掲載時期を把握した
- アプリが日本のストアで配信されているか確認した
- 公式の日本居住者向けのお知らせを確認した
なりすまし業者にも注意
金商法リストには、実在の登録業者の名前や登録番号を詐称した業者も載っています。令和8年9月の更新では、勧誘資料に登録業者の商号や「関東財務局長(金融)第3479号」といった存在しない表記を使った例が掲載されました。
登録番号らしき表記があっても、それだけで信用せず、金融庁の登録一覧と照合することが大切です。SNSで勧誘してくる「取引所」や「投資の先生」は特に注意が必要です。
海外取引所を利用するなら気をつけること
海外取引所を使うかどうかは、制度上は利用者の判断に委ねられています。使う場合は、次のリスクを理解したうえで、失っても生活に影響しない範囲にとどめることが前提です。
- 日本の利用者保護が及ばない:分別管理の監督や、改正で導入される責任準備金による補償の対象外です。
- 撤退時の強制決済:Bybitの例では、撤退発表から強制決済まで約7か月でした。希望しないタイミングでポジションが閉じられます。
- ハッキングと出金停止:Bitgetのように、流出が起きると出金が数日から1週間以上止まることがあります。
- 税金の扱いが不利になり得る:分離課税の対象外となる見込みで、最大55%の総合課税が続く可能性があります。
- アプリの削除:日本のストアからアプリが消えると、新しい端末で使えず、資金の出し入れや操作が不便になります。
- トラブル時の相談先が限られる:国内の登録業者向けの苦情・紛争解決の仕組みは、無登録の海外業者には使えないと考えられます。
- 詐欺・なりすまし:金商法リストには、登録業者の名前を詐称した業者も掲載されています。SNS経由の勧誘は特に注意が必要です。
- 制度の詳細がまだ決まっていない:政令・内閣府令・通達の公表で、扱いが変わる可能性があります。
実務でできる備え
まず、取引所に置く資金は必要な分だけにし、使わない資産は国内の登録業者か自分で管理するウォレットに分けておきます。1社に資産を集中させないことが、撤退や出金停止への一番の備えです。
次に、取引履歴は取引所ごとに定期的にダウンロードして保存しましょう。撤退後はログインや履歴の取得ができなくなる場合があり、確定申告で困ることになります。
先物を使う場合は、強制決済の日程が発表されたら期限を待たずに自分で決済するのが基本です。業者による一斉の強制決済は、価格が不利になりやすいためです。
DEXという選択肢と、そのリスク
分散型取引所(DEX)は、運営会社が口座を一律に閉じる形の撤退が起きにくい仕組みです。運営者のCryptoAIは、DEXのHyperliquidでLLMとルールベースを組み合わせた自動売買botを実際に運用しています。
一方でDEXにも、スマートコントラクトの不具合、秘密鍵の自己管理、日本語サポートの不在といった別のリスクがあります。税制上も、DEXでの売却は分離課税の対象外とされる見込みです。主要なPerp DEXの違いはPerp DEXの比較で解説しています。
Crypto-AINewsの見立て:施行前に撤退の判断が進む可能性
過去の例を見ると、警告から撤退までには一定の間隔があります。Bybitは3回目の警告(2024年11月)から新規停止(2025年10月31日)まで約11か月、Bitgetは金商法の警告(2025年6月)から新規停止(2026年8月3日)まで約14か月でした。
撤退の発表から強制決済までは、Bybitが約7か月(2025年12月22日→2026年7月22日)、Bitgetが約5か月(2026年8月3日→12月31日)です。発表後に残された時間は、5〜7か月程度と見ておくのが現実的です。
暗号資産部分の施行は遅くとも2027年7月です。施行後は現物の無登録業にも拘禁刑10年が適用されるため、警告を受けている業者を中心に、施行前に撤退を判断する動きが続く可能性があります。
一方で、警告を一度も受けていない業者がすぐ撤退するとは限りません。Zoomexのように、警告の時点ではまだ撤退を告知していない例もあります。どの業者がいつ動くかは予測できないため、段階ごとの変化を追い続けることが現実的な対策です。
まとめ:撤退段階の一覧と次に読む記事
改正金商法は海外取引所の利用者を罰するものではありませんが、無登録業者への罰則が10年に重くなり、国内業者との保護の差は広がります。分離課税の対象外になる見込みも含め、海外取引所を使うコストは上がっていく方向です。
| 状況 | 当てはまる取引所 | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| 撤退完了・進行中で移行先を探している | Bybit・Bitgetの利用者 | Bybit・Bitgetからの乗り換え先 |
| 警告リスト未掲載の取引所を調べたい | BTCC | BTCCの評判 |
| BTCCの口座を作る前に手順を知りたい | BTCC | BTCCの口座開設の手順 |
| 登録業者だけで取引したい | 国内取引所 | 国内取引所の比較 |
どの取引所を選ぶ場合でも、金融庁の2つのリストと公式のお知らせを定期的に確認し、資産を1社に集中させないことが基本です。法律や税金の判断に迷う場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談してください。
