結論:BingXの評判は「警告前で日本語が使え、先物の板は厚い」、弱みは金融庁未登録と2024年の流出
BingX(ビンエックス)は、日本居住者が2026年10月9日時点で新規登録でき、金融庁の無登録業者の警告リストにも載っていない海外取引所です。無期限先物の板は厚く、1万ドル程度のBTCなら注文による値の滑りはほぼ0でした(当サイトの実測、後述)。
一方で、金融庁に登録された暗号資産交換業者ではなく、日本の利用者保護の外にあります。2024年9月にはホットウォレットから約4,300万ドル超が流出しました。
| 良い点 | 弱い点 |
|---|---|
| 金融庁の警告リストに名前がない(10月9日確認) | 金融庁に登録していない海外業者 |
| 先物の手数料はテイカー0.05%・メイカー0.02% | 2024年9月20日にホットウォレットから資産が流出 |
| BTC・ETHの先物の板が厚い(実測) | 日本円を直接入出金できない |
| 日本のApp Storeにアプリがある(★4.6・1,029件) | 現物の手数料は先物より高い(0.1%とする解説が多い) |
| 株式・為替などの先物も扱う | 新規向けの特典は時期で変わり、条件が細かい |
撤退が進んだBybit・Bitgetの代わりとして見るなら、BingXは「今は使えるが、日本の規制の外にある」取引所です。警告を受けていない海外取引所には、BingXのほかにBTCCがあります。
BTCCは新規ユーザー向けに、ミッション達成型の報酬(最大30,000 USDT)を公式ページで案内しています。条件は公式で確認してください(2026年10月7日確認)。
BingXの基本情報
BingXは2018年に始まった海外の暗号資産取引所で、旧名はBingbonです。日本のApp Storeでの提供元は「BingX Group Limited」と表示されています。
| 項目 | 内容(2026年10月9日確認) |
|---|---|
| 提供元(App Store表記) | BingX Group Limited |
| 金融庁への登録 | なし(暗号資産交換業者の登録一覧に掲載なし) |
| 金融庁の警告 | なし(無登録業者の2つのリストに名前なし) |
| 無期限先物(USDT建て・取引中) | 970本(うち株式・為替・商品などが約395本) |
| 現物(USDT建て・取引中) | 624銘柄 |
| 先物の手数料(標準) | テイカー0.05%・メイカー0.02% |
| 日本語 | 対応 |
| 日本円の入出金 | 不可(暗号資産を送って使う) |
| 日本のApp Store | あり(★4.6・1,029件) |
銘柄数と先物の手数料は、BingXの公開API(無期限先物の契約一覧)と現物の銘柄一覧を10月9日に取得して数えた値です。株式や為替を原資産にした先物も、同じ一覧にUSDT建てで並んでいます。
現物の手数料は、公式の手数料ページを10月9日に取得できず確認できていません。上位の解説記事はメイカー・テイカーとも0.1%としているので、注文の前に取引画面の表示で確かめてください。
金融庁との関係:未登録だが、警告リストには載っていない
BingXは金融庁に登録していない海外業者です。日本の法律では、登録のない業者が日本居住者を相手に暗号資産の交換やデリバティブを勧誘すると違反になり、金融庁は警告とリストへの掲載で対応してきました。
2026年10月9日に、金融庁の無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等と無登録で金融商品取引業を行う者の名称等を確認し、BingX(旧名Bingbonを含む)の名前は見つかりませんでした。
ただし、警告がないことは安全の保証ではありません。BybitもBitgetも、警告の後にアプリ削除・新規停止・強制決済へと進みました。撤退が進む順番と各社の現在地は海外取引所のおすすめ比較と海外取引所の規制と金商法の改正で整理しています。
手数料と板の厚さを実測:1万ドル分を成行で買うと
BingXの無期限先物は板が厚く、BTC・ETHは1万ドル分を成行で買っても滑りが0.002%以下でした。総コストはほぼテイカー手数料の0.05%で決まり、BTC 1万ドルで約5.04ドルです。
2026年10月9日(金)06:09〜06:50(日本時間)に、BingXの公開APIで板を5分おきに9回取得しました。売り板を安い順に買ったときの平均価格と仲値の差を「滑り」とし、手数料を足して総コストにしています。
無期限先物(USDT建て)
| 銘柄 | 1,000ドルの滑り | 1万ドルの滑り | 10万ドルの滑り | 1万ドルの総コスト(滑り+テイカー0.05%) |
|---|---|---|---|---|
| BTC | 0.000% | 0.000% | 0.001% | 約5.04ドル |
| ETH | 0.002% | 0.002% | 0.003% | 約5.22ドル |
| SOL | 0.008% | 0.008% | 0.010% | 約5.81ドル |
| BCH | 0.006% | 0.008% | 0.015% | 約5.77ドル |
現物(USDT建て)
| 銘柄 | 1,000ドルの滑り | 1万ドルの滑り | 10万ドルの滑り | 1万ドルの総コスト(滑り+0.1%と仮定) |
|---|---|---|---|---|
| BTC | 0.004% | 0.005% | 0.013% | 約10.53ドル |
| ETH | 0.020% | 0.027% | 0.032% | 約12.74ドル |
| SOL | 0.068% | 0.072% | 0.091% | 約17.22ドル |
同じBTCを1万ドル分買うなら、先物は約5.04ドル、現物は約10.53ドルで、現物の方が2倍ほど高くつきます。現物の0.1%は確認できていない値なので、実際の手数料が違えば総コストも変わります。
ほかの海外取引所と比べると、先物のテイカー手数料はBTCC 0.055%、Hyperliquid 0.045%で、BingXはその間です。1万ドルあたりの差は0.5ドル程度なので、手数料よりも撤退のしにくさで選ぶ方が実害を避けられます。
安全性:2024年9月の流出と準備金の公開
BingXの安全性で知っておくべきなのは、2024年9月20日の流出です。ホットウォレットから資産が送り出され、The Blockの報道によれば、被害は4,300万ドルを超えると推定されました。BingXは自己資金で全額を補償すると説明し、出金を段階的に再開しました。
BingXは、利用者の預かり資産に対する準備金の比率(Proof of Reserves)を毎月公開しています。BingXのTrust Centerの発表では、2026年7月15日時点でBTCが142.82%、USDTが131.83%でした。
準備金の比率は、ある時点で資産が足りていたことを示すだけで、負債の全体や今後の流出を保証するものではありません。取引所に置く資金は、使う分だけにとどめてください。
良い評判と悪い評判
BingXの口コミとしてよく挙がるのは、画面が分かりやすくコピートレードが使いやすいという声です。一方で、手数料の差し引かれ方が分かりにくい、アプリの通知や残高の表示に不具合がある、という声もあります。
良い評判の多くは、先物とコピートレードを使う人からのものです。他のトレーダーの売買を自動で写すコピートレードは、BingXが早くから力を入れてきた機能です。
悪い評判では、日本円を直接入れられないことと、問い合わせが英語まじりになる場面があることも挙がります。App Storeの評価は★4.6(1,029件、10月9日確認)ですが、件数は多くありません。
コピートレードと株式・為替の先物
BingXには、暗号資産の先物のほかに、株式・為替・商品を原資産にしたUSDT建ての先物が約395本あります(公開APIの契約一覧で10月9日に数えた値)。
株式や為替の先物は、日本の証券会社やFX会社で扱う商品とは別物です。値動きは原資産に連動しても、金融庁の登録を受けていない業者の店頭デリバティブなので、日本の投資者保護は受けられません。
コピートレードは、相手の成績が過去のものにすぎず、相手と同じ価格で約定するとも限りません。使う場合は1人あたりの金額と損切りの上限を先に決めます。
BingXの始め方:口座開設から入金まで
BingXは日本円を受け付けないので、国内取引所で暗号資産を買って送る流れになります。
- 国内取引所で口座を作る:BTCやXRPを日本円で買える国内取引所を用意します。選び方は国内の取引所の比較にまとめています
- BingXに登録する:BingXのアプリか公式サイトで「登録」を押し、メールアドレスか電話番号を入れて、届いた認証コードを入力します
- 本人確認と二段階認証を済ませる:アカウントの「セキュリティ」画面で認証アプリを設定し、本人確認の画面で書類を出します
- 入金アドレスを確認する:「資産」→「入金」で通貨とネットワークを選び、表示されたアドレスをコピーします
- 国内取引所から少額で試し送金する:国内取引所の「送付」画面でBingXのアドレスを登録し、まず少額を送って着金を確かめてから残りを送ります
国内取引所から海外取引所へ送るときは、トラベルルールにより送付先の取引所名や受取人の情報を求められ、送れない組み合わせもあります。送る前にビットコインの入金方法で注意点を確かめてください。
BingXとBTCC・Hyperliquidの比較
警告を受けていない海外の選択肢を並べると、BingXは銘柄数と株式・為替の先物、BTCCは先物に絞った作り、Hyperliquidは資産を預けない点が違いです。
| 項目 | BingX | BTCC | Hyperliquid |
|---|---|---|---|
| 種類 | 中央集権型(CEX) | CEX | 分散型(DEX) |
| 先物の手数料(テイカー/メイカー) | 0.05%/0.02% | 0.055%/0.03% | 0.045%/0.015% |
| 金融庁の警告 | なし | なし | なし |
| 日本語 | 対応 | 対応 | 非対応 |
| 資産の置き場所 | 取引所 | 取引所 | 自分のウォレット |
BTCCの手数料はBTCC公式の手数料ページ(2026年10月4日確認)の標準の料率です。BTCCの詳しい評価はBTCCの評判、Hyperliquidなどの分散型の先物はPerp DEXの比較で比べています。
BingXを使うときの注意点
BingXを使う前に、次の5つを確認してください。
- 金融庁に登録していない:トラブルが起きても、日本の制度で資産が守られる仕組みはありません
- 撤退の可能性:将来、金融庁の警告や日本居住者向けサービスの終了が起きることはあり得ます。資金を長く置きっぱなしにしません
- レバレッジの損失:倍率を上げるほど、少しの値動きでロスカットされます。計算の仕方は証拠金維持率とロスカットの計算を見てください
- 特典の条件:新規向けの特典は時期によって内容が変わり、取引量などの条件があります。金額だけで選ばず、公式で条件を確かめます
- 税金:海外取引所の利益も雑所得で、日本円に換えていなくても、別の暗号資産への交換や決済で課税されます
まとめ:BingXは「今は使えるが、規制の外にある」取引所
BingXは、2026年10月9日時点で日本居住者が新規登録でき、金融庁の警告も受けていない海外取引所です。先物の板は厚く、BTCを1万ドル程度取引するなら、コストはほぼ手数料0.05%で決まります。
ただし金融庁には登録しておらず、2024年には流出も起きました。使う場合は資金を分け、使う分だけを置いてください。ほかの海外取引所との比べ方は海外取引所の選び方にまとめています。
