結論:CME先物は上場済み、グレイスケールのETFは申請中のまま

ビットコインキャッシュ(BCH)とは、2017年にビットコイン(BTC)から分岐した、送金を速く安くすることを目指す暗号資産です。

2026年10月19日、CMEグループのBCH先物が予定どおり上場しました。10月20日にはFalconXとGSRが初回のブロック取引を実行したとCMEグループが発表し、取引は実際に始まっています(9月22日の予定発表時点では規制審査が条件でした)。

もう一つの材料であるグレイスケールのBCH信託の現物ETF化は、9月11日の修正届出(S-3/A)のまま進展がなく、承認・上場日は決まっていません。

価格は10月24日時点で約285ドルです(CoinGeckoのビットコインキャッシュのページ、24時間で約+3.9%)。先物上場日の10月19日(約276ドル)から約3%高く、上場直後に急落する場面は今のところありません。

国内では、10万円分を板で買う総コストがbitbank(約171円)とGMOコイン(約132円)で小さい状態が続いています(当サイトの実測、後述)。

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2026年の価格推移:6月安値から先物上場後も280ドル台を維持

BCHは2026年に入ってから5月まで450〜650ドル台で推移し、5月中旬から6月下旬にかけて急落しました。9月はCME先物とETFの材料で戻し、10月は280〜290ドル台で動いています。

月 月初 月末・直近 月中の安値 月中の高値
2026年6月 約303ドル 約201ドル 約190ドル 約303ドル
2026年8月 約210ドル 約243ドル 約204ドル 約288ドル
2026年9月 約247ドル 約308ドル 約217ドル 約345ドル
2026年10月(24日まで) 約306ドル 約285ドル 約265ドル 約320ドル

数値はCoinGeckoの日次データ(米ドル建て)を当サイトで月ごとにまとめたものです。日中の高値・安値は含みません。

10月13日に約265ドルまで下げた後、先物上場の10月19日(約276ドル)にかけて戻し、上場後の10月20〜23日も280〜286ドル台を維持しています。

強気の材料:CME先物の上場・ETF申請・Laylaアップグレード

強気の材料は、米国の規制された市場でBCHを扱う先物が実際に上場したことです。ETFとチェーンの機能拡張は、まだ材料として残っています。

CMEのBCH先物は10月19日に上場、20日に初回取引

CMEグループは9月22日の発表どおり10月19日にBCHとユニスワップ(UNI)の先物を上場し、10月20日にFalconXとGSRが初回のブロック取引を実行したと公式に発表しました。標準契約は250 BCH、マイクロ契約は25 BCHです。

これでCMEの単一銘柄暗号資産先物は11種類目になりました。機関投資家がBCHの値動きをヘッジ・投機できる規制市場ができたことは、売買の厚みにつながる可能性があります。

グレイスケールのETF化は9月の届出のまま進展なし

グレイスケールは9月11日、ビットコインキャッシュ信託(BCHG)をNYSE Arcaに上場する現物ETFへ移すための修正届出(S-3/A)を米SECに提出しました(SEC EDGARの提出書類)。

10月24日時点でも承認や新規の上場日に関する発表は確認できていません。BTCやETHでは現物ETFの承認後に資金が流れ込みましたが、BCHで同じことが起きるかは、承認されるかどうかと承認後の需要しだいです。

Laylaアップグレードでスマートコントラクトの機能が増えた

BCHは2026年5月15日に「Layla」と呼ばれるネットワークの更新を実施しました(Bitcoin Cash Nodeの仕様書)。ループ・関数・Pay-to-Script・ビット演算の4つが加わりました。

2023年のCashTokens(トークンやNFTを発行できる機能)と合わせて、BCHは送金だけでなくアプリの土台にもなろうとしています。ただし利用が増えたことを示す数字はまだ乏しく、価格の材料としては補助的です。

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弱気の材料:決済需要の弱さとBTC連動

弱気の材料は、BCHがもともと目指した「安い決済」の役割で使われる場面が増えていないことです。

決済の用途はステーブルコインと競合している

送金や支払いでは、価格が動かないUSDTやUSDCなどのステーブルコインが広がりました。手数料が安くても、受け取る側にとって価格が動くBCHは使いにくいのが実情です。

BTCとの連動が強く、下げるときは深い

BCHはBTCと同じ仕組みのPoWで、価格はBTCの動きに引っ張られます。相場全体が崩れたときの下げ幅は、BTCより大きくなりやすい銘柄です。10月23日時点でも最高値(2017年12月の3,785ドル)からは約93%低い水準にとどまっています。

Crypto-AINewsの見立て:先物上場後の「買われて売られる」は今のところ起きていない

2017年12月のCMEビットコイン先物上場では、上場前日(12月17日)にBTCが当時の記録的高値(約19,666ドル)を付け、その後に長い下落相場へ入りました(Fortuneの報道)。この前例から、当サイトは9月の記事で「BCHも10月19日の前後で期待で買われ、上場後に売られる可能性がある」と見ていました。

実際には、上場日の10月19日(約276ドル)から10月23日(約285ドル・24時間で約+3.9%)にかけて価格は上昇しています。上場直後の急落は10月24日時点で確認できていません。

当たった部分は「先物上場が実現し、ETFは申請中のまま」という材料の進み方です。外れた部分は「上場後に売られる」という短期の値動きの予想でした。

ただしCME先物上場から5日程度であり、2017年のBTCも下落が始まるまでに数週間かかりました。短期間で「売られない」と確定したとは言えません。

ビットコインキャッシュと他の通貨の比べ方

BCHを比べる相手は、同じBTC系のPoW通貨(BTC・LTC・BSV)です。米国の規制市場での扱いの差で考えると整理しやすくなります。

項目 BCH BTC LTC BSV
生まれた年 2017年(BTCから分岐) 2009年 2011年 2018年(BCHから分岐)
発行上限 2,100万 2,100万 8,400万 2,100万
米国の現物ETF 申請中(9月11日に修正届出) 上場済み — —
CMEの先物 上場済み(10月19日) 上場済み — —
スマートコントラクト CashTokens・Layla 限定的 限定的 限定的

「—」は、この記事では確認していない項目です。BTCを持つ人がBCHを足すと、値動きの大きい部分を足すことになります。BCHの比率は下げたときに耐えられる金額にとどめるのが基本です。

国内で10万円分を買う総コスト(実測)

BCHは国内の複数の取引所で、日本円の板取引ができます。10万円分を板で成行で買う総コストは、bitbank(約171円)とGMOコイン(約132円)が小さく、Coincheckは約537円、BitTradeとZaifは板が薄く千円台後半〜2千円台かかりました。

2026年10月24日(土)06:15〜06:19(日本時間)に、各社の公開APIでBCH/JPYの板を4回取得しました。売り板を安い順に10万円分買ったときの平均価格と板の仲値との差(滑り)に、公式のテイカー手数料を足しています。

取引所 方式 滑り(4回平均) 手数料(テイカー) 10万円分の総コスト
bitbank 板 約51円 0.12% 約171円
GMOコイン 板 約42円 0.09% 約132円
Coincheck 板 約537円 0%(改定後は0.12%) 約537円(改定後 約657円)
BitTrade 板 約1,836円 別途 約1,836円+手数料
Zaif 板 約1,721円 0.3% 約2,021円

手数料はbitbankの公開API(BCC/JPYのテイカー0.12%・10月24日確認)、GMOコインの公開API(BCHのテイカー0.09%・10月24日確認)、Zaifの手数料ページ(BCH/JPYのテイカー0.3%)で確認しました。

CoincheckはBTC/JPY以外の板の手数料を段階制にする予定でしたが、導入を延期しており、10月24日時点でも新しい日時は発表されていません(現行は0%、導入後は一般利用者のテイカー0.12%。詳しくはCoincheckとbitFlyerの比較)。

10月9日の前回実測(bitbank約158円・GMOコイン約203円・Zaif約9,637円)と比べ、ZaifはBCHの板が厚くなり総コストが縮んでいます。板は時間帯で厚みが変わるため、まとめて買うなら事前に自分で板を見ておくと安心です。

bitFlyerはBCHを販売所とビットコイン建ての板(BCH/BTC)で扱い、日本円の板はありません(bitFlyerの公開APIで確認)。販売所は買値と売値の差が数%あり、同じ10万円でも数千円の差になることがあります。

ビットコインキャッシュの買い方:5つの手順

BCHは国内取引所の口座を作り、日本円を入れて、板で注文する流れで買えます。

  1. 口座を作る:取引所の公式サイトで「口座開設」を押し、メールアドレスを登録して、スマホで本人確認書類と顔写真を撮ります
  2. 二段階認証を設定する:アプリの「設定」から認証アプリを登録します。入金より先に済ませます
  3. 日本円を入金する:「入金」画面に出る銀行振込の口座あてに振り込みます。振込手数料と反映時間はビットコインの入金方法で比べています
  4. 板で注文する:「取引所」(販売所ではない方)の画面でBCH/JPY(bitbankではBCC/JPY)を選び、指値か成行で数量を入れます。板取引ができない社は、買値と売値の差(スプレッド)が広い販売所になる点に注意します
  5. 保管方法を決める:長く持つなら、取引所に置く量と外部のウォレットに移す量を分けます

ほかの銘柄も含めた買い方の全体は仮想通貨の買い方、取引所の選び方は国内の取引所の比較にまとめています。

ビットコインキャッシュを買う前の注意点

BCHを買う前に確認したいのは、次の5点です。

  1. 先物上場後も値動きが荒くなる場面はある:10月19〜23日は急落していませんが、CME先物の出来高が増えるほど短期の値動きが大きくなる可能性があります
  2. ETFは申請中:グレイスケールの届出は承認ではありません。承認されなかった場合や時間がかかった場合の下げも想定します
  3. 名前の似た別の通貨に注意:BSV(ビットコインSV)やXEC(eCash)はBCHとは別の通貨です。送付先を間違えると戻らないことがあります
  4. 送付は受け取り側の対応を確認する:外部ウォレットから国内取引所へ送るときは、受け取り側がBCHの入金に対応しているかを先に見ます
  5. 税金:売却益は雑所得で、ほかの所得と合わせて課税されます(国税庁の暗号資産の課税関係)

まとめ:材料は「上場済み」に進んだが、ETFの承認はまだ

ビットコインキャッシュの今後を左右する2つの材料のうち、CME先物は2026年10月19日に実際に上場し、10月20日に初回取引も確認されました。グレイスケールのETF化は9月の届出のまま進展がありません。

先物上場後に懸念された急落は10月24日時点では起きていませんが、上場からまだ5日程度で、判断するには早い段階です。買う場合は材料の進み方と価格の両方を分けて見て、値下がりに耐えられる金額にとどめてください。国内ではbitbankとGMOコインの板が、10万円分の総コストが小さい取引所でした。

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