結論:IMXは構造的な売り圧力が消えたが、価格はまだ戻っていない

IMX(イミュータブル)の今後を左右する最大の変化は、2025年10月31日に予定されていたベスティング(段階的ロック解除)が全て終わったことです。新規の供給増加という売り材料は、ここで一つ消えました。

一方で、価格は2026年10月24日時点で約0.140ドル(約22円、CoinGeckoのImmutable Xのページ)です。2021年11月25日の過去最高値9.52ドルからは約98.5%安い水準です。

2026年8月19日の過去最安値0.0948ドルからは約48%戻していますが、ベスティング完了・チェーン統合が実施済みだった10月10日の約0.197〜0.200ドルからは、2週間で約29%下落しました。

区分 材料 確度(10月24日時点)
強気 ベスティングが2025年10月に完了し、新規の供給増がなくなった 実施済み(価格は反映せず下落継続)
強気 旧Immutable XとzkEVMの統合(チェーン統合)が2026年2〜3月に完了し、資産・開発者ツールが一本化された 実施済み(同上)
強気 UbisoftのTCG「Might & Magic: Fates」が2026年2月に正式ローンチ 実施済み(価格への反映は限定的)
弱気 2021年ATHから約98.5%安いまま、10月10日からの2週間でさらに約29%下落 実績
弱気 Web3ゲーム・NFT市場全体の縮小で、プロトコル手数料(NFT取引量に依存)が伸びていない 構造的
弱気 Coinbaseが2026年6月にIMXの無期限先物を上場廃止 実施済み

2026年10月11日〜25日にWebSearchで公式発表を確認しましたが、この期間の新しいゲームローンチ・パートナーシップ・上場に関する材料は見つかりませんでした。供給面の強気材料が出尽くした後も下落が続いているのは、NFT・Web3ゲーム市場の実需の弱さが値動きを支配していることを示しています。

国内でIMXを日本円の板で買えるのはCoincheckとbitbankの2社で、10万円分を買う総コストはbitbankの方が小さいです(当サイトの実測、後述)。

Coincheckの公式サイトで手数料・取扱銘柄を確認する

IMX(イミュータブル)とは:NFT・Web3ゲーム向けのレイヤー2

IMXとは、NFTやゲームに特化したイーサリアムのレイヤー2「Immutable」のネットワークトークンです。2021年にStarkExベースの「Immutable X」として始まり、2026年に旧チェーンとzkEVMが統合され、現在は単一の「Immutable Chain」で稼働しています。

発行上限は20億IMXです。IMXの主な用途は、ネットワークのガス代、NFT取引手数料の一部還元、ステーキング報酬、ガバナンス投票の4つです。

ゲームはNFT特化L2という位置づけのため、Immutable上で動くGods Unchained・Guild of Guardians・Illuvium・Off The Grid(Gunzilla Games)などのタイトルがエコシステムの中心です。

2026年の価格の推移:年初から下落し、9月以降に戻した

IMXは2026年1月の0.22ドル台から6月にかけて下落し、8月19日に過去最安値0.0948ドルを付けました。9月以降は反発し、10月10日時点で0.197ドル前後です。

月 月初終値 月末終値 月中の安値 月中の高値
2026年1月 0.2185ドル 0.2332ドル 0.2185ドル 0.3046ドル
2026年2月 0.2074ドル 0.2097ドル 0.1544ドル 0.2164ドル
2026年3月 0.2013ドル 0.1418ドル 0.1418ドル 0.2294ドル
2026年4月 0.1395ドル 0.1650ドル 0.1334ドル 0.1807ドル
2026年5月 0.1640ドル 0.1624ドル 0.1600ドル 0.2023ドル
2026年6月 0.1623ドル 0.1203ドル 0.1203ドル 0.1634ドル
2026年7月 0.1145ドル 0.1089ドル 0.1086ドル 0.1447ドル
2026年8月 0.1065ドル 0.1224ドル 0.1001ドル 0.1347ドル
2026年9月 0.1245ドル 0.1650ドル 0.1188ドル 0.1906ドル
2026年10月(24日まで) 0.1668ドル — 0.1399ドル 0.1999ドル

数値はCoinGeckoの日次データを当サイトで月ごとの終値ベースにまとめたものです。日中の高値・安値は含みません。

なお、CoinGeckoが記録する実際の過去最安値は2026年8月19日の0.0948ドルで、上の表の8月の安値(終値ベース0.1001ドル)より少し低い値です。

9月下旬から10月10日にかけての反発(9月安値0.1188ドルから10月10日の高値0.1999ドルまで約68%)の後、10月11日以降は反落が続き、10月24日は0.1399ドルまで下げました。反発と反落のどちらも、単一の明確な材料は確認できていません。

強気の材料:ベスティング完了・チェーン統合・Ubisoftタイトル

強気の材料は、供給面の構造変化とエコシステムの前進です。いずれも実施済みの事実ですが、10月10日から24日までの2週間で価格は約29%下落しており、価格への反映はむしろ後退しています。

ベスティングが2025年10月に完了し、新規の売り圧力が消えた

Immutableは2025年10月31日、最終アンロック(約2,731万IMX)をもって20億IMX全量のベスティングが終了したと発表しました(blockchaingamer.bizの報道)。

ただし、CoinGeckoの集計では現在の流通量は約9.04億枚(発行上限の約45%)で、財団・エコシステム保有分などは流通量に含まれていません。今後、ベスティングによる新規のロック解除は予定されていません。

Immutable XとzkEVMの統合が2026年2〜3月に完了

Immutableは2026年2月11日、旧Immutable XへのAPI・RPC経由の書き込みを停止し、読み取り専用に移行しました。2026年2月25日以降、未出金の資産は新チェーン(Immutable Chain)上の同一ウォレットへ自動的に移行され、3月上旬にかけて処理が進みました(公式ドキュメント)。

これにより、旧チェーンとzkEVMという二重構造が解消され、流動性・開発者ツール・マーケットプレイスが一本化されました。ステーキングも2026年6月19日(UTC)に旧チェーン側が終了し、zkEVM側(2週間サイクル・報酬プールはNFT取引手数料の20%)に一本化されています。

UbisoftのTCG「Might & Magic: Fates」が正式ローンチ

2026年に入って最も注目された動きが、Ubisoftとの協業タイトル「Might & Magic: Fates」の正式ローンチです。基本プレイ無料のトレーディングカードゲームで、2026年2月4日にiOS・Android向けに配信開始、2月16日にSteam早期アクセスでPC版が展開されました。

Immutable公式サイトは、Passportの認証ユーザー数が600万人超(2026年10月10日確認、immutable.com/passport)、700以上のゲームがプラットフォームを利用していると掲げています。

弱気の材料:市場縮小とCoinbaseの先物上場廃止

弱気の材料は、Web3ゲーム市場全体の縮小と、価格が実際には戻っていないという実績です。

2021年ATHから約98.5%安いまま、10月の反発も失速

IMXは2021年11月25日に過去最高値9.52ドルを記録しましたが、2026年10月24日時点で約0.140ドルと、約98.5%低い水準にとどまっています。2026年の前半は一貫して下落し、8月19日に過去最安値0.0948ドルを付けました。

9月以降いったん反発したものの、10月10日の高値0.1999ドルから24日の0.1399ドルまで、2週間で約29%戻り分を失っています。

NFT取引量に依存する手数料モデル

IMXの需要はチェーン上のNFT取引量に直結します。Web3ゲーム・NFT市場全体が2021〜2022年のブーム期から縮小した中で、プロトコル手数料の原資そのものが増えにくい構造です。

Coinbaseが無期限先物を上場廃止

Coinbaseは2026年5月21日に告知し、2026年6月4日にIMXの無期限先物(IMX-PERP)の取引を終了しました(現物取引には影響なし)。機関・プロ向けの取引手段が一つ減ったことは、値動きの材料としては弱気側に数えられます。

他のゲーミング・レイヤー2との比べ方

IMXを比べる相手は、同じNFT・ゲーム特化のレイヤー2やゲーミングトークンです。チェーン統合によって専用チェーンとしての立ち位置は明確になりましたが、汎用レイヤー2との差別化は使う側の実感に委ねられます。

項目 IMX(Immutable) Polygon(POL) Ronin(RON)
用途 NFT・ゲーム特化L2のガス・報酬・ガバナンス 汎用L2のガス・ステーキング Axie系ゲーム特化チェーンのガス・ガバナンス
発行上限 20億 100億 10億
ベスティング 2025年10月に完了 継続中(スケジュールは公式参照) 公式参照
2026年10月10日の状況 ATHから約98%安い — —

「—」は、この記事では確認していない項目です。NFT特化のL2という設計が今後評価されるかは、新規ゲームの定着とNFT取引量の回復しだいです。

国内で10万円分を買う総コスト(実測)

IMXを日本円の板で買える国内取引所はCoincheckとbitbankの2社です。bitFlyerは販売所のみの取扱いで、GMOコインとbitbankを除く他の国内大手(GMOコイン・BitTrade)は2026年10月10日時点で日本円ペアを提供していません(各社の公開APIで確認)。

2026年10月25日 06:10〜06:13(日本時間)に、CoincheckとbitbankのIMX/JPYの板を5回取得し、10万円分を成行で買ったときの平均の滑り(仲値との差)に公式の手数料を足しました。

取引所 方式 滑り(平均) 手数料(テイカー) 10万円分の総コスト
bitbank 板 約0.76% 0.12%(公開APIで確認) 約876円
Coincheck 板 約6.22% 0.000%(段階制の導入は延期・日時未定。導入後は一般ユーザーでテイカー0.12%) 約6,225円

bitbankの方が板が厚く、総コストが小さい結果でした。

10月10日の実測(bitbank約1,261円・Coincheck約3,209円)と比べると、bitbankはやや板が厚くなった一方、Coincheckは板が薄くなり総コストが2倍近くに拡大しています。いずれも板の厚さの変動によるもので、手数料の変更はありません。

CoincheckはBTC/JPY以外の板の手数料を段階制にする予定で、導入されると一般ユーザーのテイカーは0.12%です。

2026-10-25時点で公式告知ページを再確認しましたが、導入延期・新日時未定のまま状況変化はありません(Coincheckの延期のお知らせ)。詳しくはCoincheckとビットフライヤーの比較にまとめています。

それまでは無料ですが、滑りの大きさを考えると恩恵は小さいといえます。

bitbankの板はIMX/JPYがメイカー-0.02%・テイカー0.12%で、2023年12月から取扱っています。どちらも板が薄い銘柄のため、成行では数%の滑りが出ることがあります。

bitbankの公式サイトで手数料・取扱銘柄を確認する

IMXの買い方:国内取引所での4つの手順

  1. 口座を作る:CoincheckまたはbitbankでWeb口座を開設し、本人確認を済ませます
  2. 日本円を入金する:銀行振込などで日本円を入れます。各社の入金手数料はビットコインの入金方法で比べています
  3. 板で注文する:「取引所」(販売所ではない方)の画面でIMX/JPYを選び、指値か成行で数量を入れます
  4. 保管方法を決める:長く持つなら、取引所に置く量と外部ウォレットに移す量を分けます

板が薄い銘柄なので、まとまった金額を買うときは成行ではなく指値を使うと、滑りを抑えやすくなります。画面の操作手順はイミュータブルX(IMX)の買い方ガイド、ほかの銘柄も含めた買い方の全体は仮想通貨の買い方、取引所の選び方は国内の取引所の比較にまとめています。

IMXを買う前の注意点

  1. 板が薄い:IMX/JPYは主要銘柄に比べて板が薄く、成行での大口注文は想定より高い価格で約定することがあります
  2. 2021年ATHからの下落は大きい:約98%安い水準からの回復がいつになるかは不明です
  3. NFT・Web3ゲーム市場の動向に左右される:チェーン側の材料が出ても、NFT取引量が増えなければ価格への反映は限定的です
  4. ステーキングは条件つき:報酬を受け取るにはサイクル中に1回以上のNFT取引が必要です。単純に預けるだけでは報酬が付きません
  5. 税金:売却益は雑所得で、ほかの所得と合わせて課税されます(国税庁の暗号資産の課税関係)

まとめ:供給面の不安は消えたが、価格はまだ試されている

IMXの今後は、ベスティング完了とチェーン統合という供給・構造面の変化を、NFT・Web3ゲーム市場の実需がどれだけ追いかけられるかにかかっています。2021年のATHから約98.5%安い水準は変わっておらず、供給面の材料が出尽くした10月10日以降も、2週間で約29%下落しました。

買う場合は、板の薄さと市場全体の動向を踏まえ、値下がりに耐えられる金額にとどめてください。国内ではCoincheckとbitbankの板で買えます。

Coincheckの公式サイトで手数料・取扱銘柄を確認する